阪神・原口 虎党の願い叶えた代打の“彦星” 九回2死満塁でサヨナラ打「必死のパッチで走りました」

 「阪神6-5DeNA」(7日、甲子園球場)

 七夕の夜に虎党、子どもたちの願いを一振りで決めた。一塁ベースを回った阪神・原口文仁内野手に祝福のウオーターシャワーが降り注ぐ。敗戦までアウト1つの場面で劇的サヨナラ勝利を呼び込んだ。

 「この場面をイメージして準備していた。打った瞬間、必死のパッチで走りました」

 1点を追う九回。2死満塁の好機で「代打・原口」がアナウンスされると、スタンドのボルテージは最高潮に達した。森原の初球、外角寄り151キロの直球に食らいつく。「体がいい反応をしてくれて、いいところに飛んでくれた」と打球は一、二塁間を破った。

 起死回生の一打。前進守備でライトゴロを狙った右翼・度会が一塁へ送球するも、一塁側ベンチ前まで転がる悪送球となり二走・梅野がサヨナラの本塁を駆け抜けた。

 何としても勝ちたかった。試合前には「七夕ねがい叶(かな)えます」と募集し、選ばれた公式ファンクラブKIDS会員の大場帆貴くん(10)を激励。「病気で秋に手術することが決まりました。麻酔や点滴が怖いですが、大好きなタイガースの選手に会って頑張れって言ってもらいたいです」という短冊に記した願いを叶えた。

 自らも2019年1月に大腸がんで手術を経験。「俺も手術を経験して、多少の不安とかそういうのはあったけど、看護師さんとか先生とか、お父さんお母さんとかがずっとそばにいて一緒に頑張ってくれるから、勇気を出して頑張ってください。帆貴頑張れ。バモス!」と力強い言葉で背中を押した。

 自らの短冊には「タイガースがたくさん勝利をして、みんなの人生が豊かになりますように」と願った。勝利への執念を仲間と体現しての連勝。「短冊に書いたことができるとは思ってなかったけど。チームは勢いに乗りつつある」と原口。はじけるヒーローの笑顔は、猛虎に流れを呼び込み、見守る人に勇気を与える。

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