阪神・岩崎の真骨頂 球団歴代9位!通算478試合登板 嫌いな言葉は「勤続疲労」の鉄腕ヒーロー
阪神の守護神・岩崎優投手(33)が6日・DeNA戦(甲子園)で12セーブ目を挙げた。17年からリリーフに転向し、通算登板数は球団歴代9位の478試合登板。常に冷静にアウトを重ねていく左腕の実像に迫った。
珍しいガッツポーズが内に秘める闘争心の表れだった。7月6日・DeNA戦。岩崎はピンチを招きながらも無失点で試合を締めくくった。「点差、試合の流れ、打順」など状況を整理してからマウンドへ。この夜は1点リード。試合の流れで言えば直前のチャンスで追加点を奪えず、すんなり終わりそうなムードではなかった。さらに打順は2番から。「ベイスターズは長打力がある打線ですから」。心がけたのは一発長打の警戒だ。
先頭・桑原を右飛に打ち取った後、好調オースティンは四球。牧は見逃し三振に斬ったが、宮崎は慎重に攻めてストレートの四球を与えてしまう。2死一、二塁。同点、逆転の走者を背負い最大のヤマ場を迎えた。安藤投手コーチ、内野陣がマウンドに集まる中、岩崎はスコアボードを見つめながら水で喉を潤した。
「勝負したい気持ちもありながら、いろいろ考えて長打とか計算した中であまり無理しないことも策なので」。代走を送られても慌てる様子はない。吹っ切れたように佐野に直球勝負を挑み、一ゴロに仕留めた。「あれも甘かったけど気持ちで」。繊細かつ大胆に、守護神の真骨頂だった。
座右の銘を聞けば「“継続は力”かなあ…」と歯切れが悪い。「嫌いな言葉ならありますよ。“勤続疲労”です」と口をとがらせる。昨季まで7年連続40試合以上に登板し、通算登板数は球団歴代9位の478試合。近年は痛打を浴びると「勤続疲労」の4文字で片付けられることも。こうした見方にあらがうように練習に励む。肩回り、股関節まわりを強化、ケアに充てる時間も増やした。七夕の短冊には「ケガなく投げ続けられますように」と願いを込めた。今年も離脱することなく、ブルペンを支えていく。