攻めの気持ちが見えない阪神バッテリーの配球に西山秀二氏が苦言 「どうやって抑えようかという意図も見えない」「坂本はもう少し考えないと」

 2回、逆転3ランを浴びた伊藤将は肩を落としてベンチへ戻る(撮影・田中太一)
 ベンチで試合を見つめる(左から)浜地、漆原、伊藤将(撮影・山口登)
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 「中日10-8阪神」(13日、バンテリンドーム)

 阪神は二回に大山の2点二塁打で先制したが、直後に伊藤将が高橋周に逆転3ランを被弾。3点を追った四回に代打・渡辺と島田の適時打で追いつき、五回には坂本、小幡の連続適時打で3点を勝ち越したが、またも直後に5失点で痛恨の連敗。デイリースポーツ評論家の西山秀二氏は、攻めの気持ちが見えない阪神バッテリーに苦言を呈した。

 ◇ ◇

 これまで打てなかった打線が8得点と奮起した。逆転された後も粘り強い攻撃で再逆転に結びつけた。だけど、阪神バッテリーに攻めの姿勢が見えなかった。小手先でかわそうという配球ばかりで、どうやって抑えようかという意図が全く見えなかった。

 伊藤将は剛球投手ではないけど、去年は右打者の内側に厳しいカットボールを投げ込んで、打ち取られた打者の頭に残るような攻めをしていた。だけど、きょうは変化球ばかりで、真っすぐはカウントが苦しくなってから。今年は全体的にボールが高い傾向が続いているけど、しっかり真っすぐを投げ込んでいかないと立て直すのは難しい。やっぱり、真っすぐがあっての変化球であって、変化球があっての真っすぐではない。

 坂本に関しては厳しい言葉になるが、もう少し逆算して打者と対戦しないといけない。配球、抑え方が行き当たりばったりになってしまっている。攻めの気持ち、どうやって抑えようかという意図が見えないから、仮に抑えられた打者からしても、「あーやられたー」という気持ちにはならない。

 五回無死一、二塁で山本に四球を与えた場面もそう。右におっつけてる打者に真っすぐで力勝負ばかりしても、それは対応される。相手に右への意識があるんだから、こういう場面でインスラ(内角へのスライダー)を使うと、バッターは手が出ないもの。そういった工夫も見られず、計算ずくで打ち取ったという場面も少なかった。

 細川に逆転タイムリーを浴びた五回1死一、二塁。バッテリーとすれば、ゲッツーが欲しい場面。細川がホームベースから離れて立ってるのに、外側への変化球ばかりで、内角に体を起こす真っすぐが1球もなく、配球が単純すぎた。

 真っすぐが生きる配球、意図のある配球、攻めの配球が必要。得点力不足に泣き続けた中日相手に奪われた10得点の意味を考えなければならない。

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