阪神・岡田監督怒 伊藤将5失点、漆原&浜地も「2人で5点やもん。1イニングを」3人2軍降格 打線組み替え8得点フイ
「中日10-8阪神」(13日、バンテリンドーム)
8点取っても勝てないなんて…。阪神は打線組み替えが成功したが、投手陣が踏ん張り切れず、バンテリンドームでは2013年以来、11年ぶりの2桁失点で痛恨の逆転負けを喫した。岡田彰布監督(66)は「2人で5点やもん。1イニングを」と五回の大量失点を含めて、精彩を欠いたバッテリーに怒りの矛先を向けた。伊藤将、漆原、浜地は2軍再調整が決定。代わって岡留、加治屋が昇格する見通しとなった。
何度もチームの窮地を救ってきた投手陣が崩壊した。先発の伊藤将が3回5失点で降板し、3番手の漆原と4番手の浜地で計5失点。バンテリンで11年ぶりの2桁失点という惨事となった。
「いやいやそんなの、2人で5点やもん。1イニングを」
岡田監督があきれ返ったのは3点を勝ち越した直後の五回だった。この回から登板した漆原が大乱調。先頭の田中、岡林に連打を浴び、山本には四球を与え無死満塁とされた。カリステの中犠飛で1点を失い、1死一、三塁から福永には右前に落ちる不運な適時打で1点差に詰め寄られた。
1死一、二塁となったところで岡田監督はたまらず浜地にスイッチしたが、細川に外角低めの変化球を3球続け、左翼線へ逆転の2点二塁打を浴びた。さらに2死二塁から投手の藤嶋にも右前適時打を打たれ、手痛い追加点を与えてしまった。
漆原は6月30日・ヤクルト戦(神宮)から3試合連続失点。今季27試合目の登板で、前回から中5日と間隔も空いていたが、指揮官は「もう全然ボールもきてないよな、今な。置きにいっとるもんな。なんかな、そっと」と右腕の投球内容に不満をあらわにした。
苦言の矛先は伊藤将と坂本のバッテリーにも向いた。
2点を先制した直後に福永、細川、高橋周の3連打で瞬く間に3点を失った。打順こそ違えど、前日12日のリプレーを見るかのような二回の3連打3失点。「一緒のバッターばっかりやんか。んなもん昨日と一緒やんか。3人で3点や。順番が違うだけで。何をやっとんやろなあ、バッテリーで。おんなじように打たれるもんな」と怒りは収まらなかった。漆原、浜地、伊藤将は2軍降格となり、代わって岡留、加治屋が14日から昇格する見通しとなった。
大山を6番に降格させた打線は8試合ぶりに先制し、6月27日・中日戦(甲子園)以来の8得点とつながりを生んだ。ただ、打線の組み替えについて岡田監督は「知らん」と一蹴。“投高打低”の今季、ようやく打線に快音が響けば投手陣が踏ん張れない。かみ合わせの悪さに指揮官もいら立ちを隠せなかった。
痛恨の逆転負けで2連敗。中日に今季初めてカード負け越しとなり、首位・巨人と2・5差に後退した。15日からの宿敵との3連戦を前に、白星を一つもぎ取り、東京へと乗り込みたい。
◆今季ワーストタイの1イニング5失点 阪神の今季1イニング5失点は今季ワーストタイで3度目。過去2度は【1】4月10日・広島戦の二回【2】6月30日・ヤクルト戦の八回。なお、2桁失点は今季2度目でワーストは5月11日・DeNA戦で記録した11失点。
◆バンテリンDで11年ぶり2桁失点 阪神がバンテリンドームで2桁失点を記録したのはスコア3-15で中日に敗れた2013年4月23日以来(当時はナゴヤドーム)、約11年ぶり。