阪神・岡田監督怒り「サイン出しても走らん」 消極的走塁にご立腹「何百回言うても変わらん」

 5回、けん制でアウトになる野口(撮影・金田祐二)
 2回、小幡の適時打で生還した大山を渋い表情で迎える岡田監督(撮影・金田祐二)
 ベンチで渋い表情の岡田監督(撮影・金田祐二)
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 「巨人2-1阪神」(16日、東京ドーム)

 何百回言うても変わらんわ…。阪神・岡田彰布監督(66)は消極的な走塁に嘆き節が止まらなかった。勝てば首位浮上となる伝統の一戦で打線は毎回のように走者を出しながらも1得点止まり。自己最多133球の熱投を見せた才木をまたしても見殺しにしてしまった。名古屋、東京と続いたロード6連戦。17日は巨人戦カード勝ち越しを決めて甲子園に帰りたい。

 ビハインドはわずか1点だった。追い付き、追い越すためにベンチで手を尽くしたが、岡田監督は“笛吹けど踊らず”と言わんばかりに嘆いた。

 「何回サイン出しても走らん。ええ?ひどいな。何にもでけへんもん。何十回やねん、今年。変わらん、変わらん、ずっと一緒やん。何百回言うても変わらん」

 四回から5イニング連続で2死から安打が出た。ヒットが続かない打線の現状を踏まえ、指揮官は足を絡めて突破口を見いだそうとした。ただ、肝心の選手が動けない。七回2死から左前打を放った中野、八回2死から中前打で出塁した代打・渡辺の代走・植田らが盗塁を企図しないまま、攻撃は終わっていった。

 交流戦でソフトバンクに敗れた6月14日の試合後にも「『走れ』言うて盗塁のサイン出してるんやで。走らんだけやで。俺がなんにもしてないように見えるけど(サインを)出して走れへんから、しゃあないやんか」と消極的な走塁に怒りの矛先を向けていた。

 昨年リーグ最多「79」だったチーム盗塁数は、86試合を終えて「27」と中日に次いで少ない。機動力を駆使できない攻撃に「(足を)絡めるもクソも走ったらええねん。別に『セーフになれ』って言うてない。『走れ』のサインやから」とボヤキが止まらなかった。

 さらにミスが重なった。二回1死一塁から前川が右翼線への一打を放った。一走・大山は落下点を確認した後、再スタートしたが、体勢を崩してしまい、三塁を狙えずに二塁でストップ。「ライト線(への安打)でも一、三塁にもなれへんし。そんなん(三塁)コーチャーの指示やろ、(走者の)後ろの打球なんか」と大山の判断ミスを指摘した。五回2死一、二塁では二走・野口が痛恨のけん制死で同点機を逸した。「ミスばっかりやん。どんだけミスしてんの、このゲームだけで」と最後までいら立ちが止まらなかった。

 先発の才木は自己最多133球の熱投で8回2失点。「よく投げたと思うよ」とねぎらいの言葉を贈ったが、伊藤将、村上に続く今季3度目の“完投負け”で先発投手を見殺しにした野手陣の物足りなさが際立った。

 勝てば4位から一気に首位へ浮上するはずだったが連勝は「2」で止まり、4位で足踏みした。まれに見る混戦を抜け出すためにも、ミスは最小限に食い止めなければならない。

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