【中田良弘氏の眼】阪神・村上は悪いなりに試合を作るのも主戦投手の仕事 今季自己ワースト11安打浴びながらも6回1失点
「阪神5-1中日」(26日、甲子園球場)
阪神がクリーンアップ全員打点の活躍で後半戦白星スタートを切った。初回に4番・佐藤輝明内野手(25)、5番・大山悠輔内野手(29)の連続タイムリーで2点を先制。七回には3番・森下翔太外野手(23)の7号3ランで突き放した。先発の村上は6回1失点で約1カ月ぶりの4勝目。二回以外は毎回得点圏に走者を背負い、今季自己ワースト11安打を浴びながらも役割を果たした。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「悪いなりに試合を作るのも主戦投手の仕事」と評価した。
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村上は決して本調子ではなかったと思うけど、初回1死二、三塁から、変化球を待っていた中田の読みを完全に外して、内角低めへの直球で見逃し三振に仕留めたことで、無死二、三塁のピンチを乗り切ることができた。
三回無死満塁の場面も、初回の内角直球のイメージが残る中田を初球の変化球で泳がせて、遊飛に抑えられたことも、続くカリステの投ゴロ併殺につながったのではないか。
また、四回2死二、三塁では、ここまで2安打されていた福永の内角高めを攻めて、詰まった遊飛に仕留めた。
6回11安打1失点。加藤匠に3安打、福永、田中にもいずれも連打となる2安打を許しながらも、最少失点でしのげた事実を評価したい。
後半戦開幕という比較的照準を合わせやすい登板ではあったと思うが、村上にだってこんな時もある。いくら安打を許しても、いくら塁上をにぎわせられても、最後のベースを奪われないことが一番大事なこと。悪いなりに試合を作るのも主戦投手の仕事である。