阪神・森下 劇的サヨナラ打 ウル虎ヒーローや!3夜連続お立ち台 「いくしかない」マルティネス撃ちで4連勝

 「阪神4-3中日」(28日、甲子園球場)

 またこの男が決めた。阪神・森下翔太外野手(23)が延長十一回、劇的なサヨナラ打。九回に追い付かれる嫌な展開となった試合でチームを4連勝に導き、3日連続のお立ち台では虎党の大歓声を浴びた。30日からは首位巨人と甲子園で3連戦。8月1日には甲子園100周年記念日も迎える。大きな弾みをつけてメモリアルな戦いに臨む。

 4時間11分の死闘に決着をつけたのはやはりこの男だった。森下が勢いよくバットを振り抜く。白球が三塁・高橋周の頭上を越えた。ベンチから仲間たちが飛び出す。もみくちゃにされながら、歓喜のウオーターシャワーに浸った。

 「ただいま!」。3日連続のお立ち台で叫んだ。「水だけじゃなくて、アクエリもぶっかけられて目が痛いですけど、遅くまで残ってくれたファンの方々の声援があってのヒットだと思うのでありがとうございました!」と笑った。

 本当に“持っている男”だ。九回、十回とサヨナラ機を続けて逃した後の延長十一回。1死二塁で打席が巡った。相手は鉄壁の守護神・マルティネス。「いくしかないと。見ても打てないと思ったので、積極的にいこうと」。初球、内角に来た153キロ直球を打ち砕いた。左翼線際に打球が落ちる。

 「最高にうれしかったですけど、レフトからすごいボールが返ってきたので安心できなかった」。そんな不安をよそに、二走・近本が激走し、生還。「本当に長いゲームだったんですけど、勝ちで終われてよかった」。自身今季初のサヨナラ打で、今季3度目の4連勝をもたらした。

 三回と七回にそれぞれ右前打を放っており、これで自己最長タイの3日連続マルチ安打。さらに今季最長タイの4戦連続打点も記録した。後半戦に突入してから、勢いはとどまることを知らない。1戦目は3ランを放つと、2戦目は3安打2打点。3日連続でヒーローに輝き、「前半戦の悔しい思いを後半戦に思い切りぶつけたい」と思いを吐露した。

 一緒にお立ち台に上がった岡留は1歳上だが、普段から仲良しだ。森下が中大、岡留が亜大で、ともに東都大学リーグに所属し、対戦もした。実は森下が1年春に東都1号を放った相手が岡留だった。「俺のおかげなんですよ」と岡留が言えば、森下も「岡留さんのおかげで今があります」と笑う。“仲良しコンビ”が導いた今季6度目のサヨナラ星だった。

 岡田監督も「ちゃんと打てるようになってるから打てるやんか。それだけのことやんか」と森下の一打に目を細めた。

 2010年以来の後半戦3連勝スタートとなり、7月の月間勝ち越しも決めた。30日から対戦するのは3・5ゲーム差の首位・巨人。そして甲子園100周年のメモリアルな3連戦にもなる。「勝たないと意味がないと思うので、勝ちにこだわってやってきたい」。森下が猛虎の勢いをさらに加速させていく。

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