阪神・岡田監督が激怒 森下へあわや顔面死球「情けないのう、巨人もな。伝統の一戦にならんよ」 中継ぎにも「ほんま情けない」
「阪神9-6巨人」(31日、甲子園球場)
6連勝の余韻などなかった。試合後の阪神・岡田監督は怒りが収まらなかった。「情けないのう、巨人もな。情けないと思ったわ、俺は。伝統の一戦にならんよ、はっきり言うて」と吐き捨てた。
問題の場面は4点リードの七回だった。2死二、三塁で打席には森下。平内が投じた初球が顔面付近を襲った。のけぞるように倒れ、間一髪で最悪の事態は回避したが、温厚な森下がにらみつけるほど危険な1球だった。続く2球目も内角高めを突いたため、甲子園は怒号に包まれた。
3球目に変化球でストライクを取ると、平内はマウンドで笑みを浮かべた。この態度にも指揮官は我慢ならなかった。「ストライク取って、なんか笑うてる姿見たら、情けないねえ」と「情けない」を繰り返した。
4球目を適時内野安打とした森下は一塁を駆け抜けた後、雄たけびを上げた。試合後は冷静さを取り戻し「勝ったことが一番」と振り返った。
岡田監督の怒りの矛先は中継ぎ陣にも向いた。名指しこそしなかったが、イニング途中で交代となった漆原と富田に対して「情けないな。ほんま情けない。逃げてるように見えるからな」と苦言が止まらなかった。首位巨人と1・5差に詰め寄ったが、釈然としない勝利だった。甲子園開場100周年前夜は、どこか苦々しい夜となった。