「阪神９－２巨人」（１日、甲子園球場）

　記念の夜に“甲子宴”を満喫していた虎党の視線が、右翼ポールへ集まる。内か、外か－。着弾を確認した阪神・佐藤輝がバットを置いて走り始めると、超満席はボルテージＭＡＸに達した。「最高だったんじゃないですか。球場もみんな。久々だったので、やっと出たなという感じで」。７連勝へトドメの６号ソロは、７月３日・広島戦以来９３打席ぶりの一発。４月２１日の中日戦以来、今季２本目の聖地弾にもなった。

　大量リードで迎えた八回だ。１死から「ランナーいなかったので、大きいのを狙ってました」という心構えで打席に入った。内角のカットボールを捉えて右翼へ舞い上がった打球は、ポール際に伸びた。「入ってくれ～と思って見てましたね。感触は良かったんですけど」。ファンと佐藤輝の願いが重なり、大歓声が湧き上がった。

　五回には２死からの右前打で１０試合連続安打をマークして、３得点へつながるチャンスメーク。六回１死一塁でも一、二塁間を破った。八回のアーチで今季３度目の猛打賞、４試合連続マルチ安打だ。

　「試合前からセレモニーだったり、すごい盛り上がっていたので、こういう勝ち方ができて良かったです。もっと打って連勝伸ばしていけるように頑張ります」。ロード前ラストカードを巨人相手に３タテ締め。甲子園で生んだ波を、ビジターでもチーム一丸で乗り続ける。