阪神・前川 祝勲打!初回V打、3適時打4打点 前回ノーノー戸郷撃ち
「阪神9-2巨人」(1日、甲子園球場)
カンカンカンと心地いい快音を奏でた。阪神・前川が100歳の甲子園で初打点となる貴重な先制適時打。「凡退したら流れを持っていかれるかなと思って、何とか点を取れたので良かった」。戸郷を立ち上がりから攻略。前回ノーノーを食らった雪辱を果たした。
初回2死満塁。外角低めのフォークを捉え、一、二塁間を破った。これで満塁打率は5割。まだ聖地にセレモニーの余韻が残る中、六甲おろしの大合唱が響く。岡田監督も「やっぱり先制でしょうね」と初回の攻撃をポイントに挙げるほど、価値のある一打だった。
こうなれば、右京は止まらない。点を取られた直後の五回2死一、二塁では右前適時打。六回2死一、三塁では中前へダメ押しの一本を放った。今季3度目の猛打賞&4打点。「独特の雰囲気の中で3日間できた」。超満員の観客を味方につけて、同一カード3連勝に導いた。
聖地は「憧れの場所」だった。高校時代は21年夏の甲子園に出場し、決勝で敗れて涙。プロに入ると涙あり、笑顔ありと「成長させてくれる場所」に変わった。昨年は8月1日の甲子園99歳の誕生日が最後の1軍登録日。あれから1年。堂々とスタメンを張っている。
1、2本目のタイムリーは一塁上での「かもめポーズ」に続いて、右手を添えて左手でピストルの形を作った。野口が好きな「中国のTikTokではやりの」カンカンカンダンスから拝借した、カンカンカンポーズ。前夜からお披露目を計画し、しっかりと擬音の数だけ安打を打った。
2日からはロードに突入する。「ちゃんと新幹線で寝て、試合に入りたい」。甲子園には30日の巨人戦まで約1カ月、帰ってこない。「明日からもいっぱい勝って、甲子園に戻ってこられるように頑張ります」。甲子園100周年のメモリアルゲーム。次の100年を担う男がスポットライトを浴びた。