阪神・森下 9号弾で9戦連続打点 藤村以来の球団右打者73年ぶり 藤村氏とは「運命的」な縁も

 「DeNA10-4阪神」(3日、横浜スタジアム)

 この日のファーストスイングでレジェンドに肩を並べた。阪神・森下翔太外野手(23)が初回に9号2ランを放ち、藤村富美男、掛布雅之に並ぶ球団2位タイの9試合連続打点を記録した。チームは逆転負けで連勝が8でストップ。3位転落となったが、右打者に限れば73年ぶりの記録に到達するなど、若武者の勢いは止まらない。

 まだ西日が強く差し込む横浜の空を、痛烈な打球が切り裂いた。森下は右手人さし指を突き上げ、ダイヤモンドを回る。試合開始早々、虎党の熱気と歓声が充満した。

 「またチャンスでこう回ってきたんで。先制点大事だなと思っていた。結果的にホームランになって、しっかりアジャストできたのは良かった」

 初回1死二塁といきなりの好機だった。カウント2-0から145キロ直球を一閃(いっせん)。打球はライナーで左翼席への今季9号2ランに。止まらない勢いで先制に成功し、これがプロ2年目で地元・横浜での初アーチだった。

 「あんまりプロに入ってから得意としてなかったんで、地元ですし1本出たらうれしいですね」

 東海大相模時代から慣れ親しんだ球場だが、昨季は2軍落ちを告げられるなど、プロ入り後は苦しい思いもしてきた。ようやく出た一発に自然と笑みがこぼれた。これで驚異の9戦連続打点をマーク。球団では1986年に13試合連続打点を挙げたバース以来で、掛布雅之、藤村富美男に並ぶ2位タイに。右打者に限ると、そのミスタータイガース・藤村以来、73年ぶりの快挙となった。

 実は、藤村氏とは不思議な縁で結ばれている。昨年12月、尼崎市内の小学校にゲストティーチャーとして訪れた時のこと。デイリースポーツ1面にもなった写真で手をつないでいたのは偶然にも藤村氏のひ孫だったのだ。「そうなんですか?知らなかったです!」と森下も驚いた様子。

 自身が生まれるずいぶん前に活躍した大先輩だが、「永久欠番の人ですよね?」としっかり認識もしていた。「虎風荘」の中に藤村氏のパネルが設置されており、それで知ったという。記憶に残っているのにはさらなる理由があった。「その展示見て『あ、誕生日一緒なんだ』って思って」。偶然にも2人は8月14日生まれ。「運命的ですね」と森下。この記録に並んだのも“運命”だったのかもしれない。

 今季44打点となり、リーグ5位にも浮上。チームの連勝は8で止まり、3位転落となったが、森下の勢いは加速するばかりだ。「連敗はできないんで、切り替えて、しっかり勝っていきたい。打点にはこだわってこれからもやっていきたい」。ここぞの一打で再び連勝街道を切り開く。

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