【谷佳知氏の眼】七回勝ち越し呼んだ阪神・原口の価値ある四球
「巨人5-8阪神」(13日、東京ドーム)
打撃戦を制した阪神に自力優勝の可能性が復活した。初回に森下の2ランで先制したが、先発の才木が4点リードを追いつかれる展開。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏は渡辺の勝ち越し打が出た七回の攻撃のポイントに原口が粘って選んだ四球を挙げた。
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原口が選んだ価値ある四球が、七回の勝ち越しを呼んだと言ってもいいだろう。
阪神からすればエース格の才木が4点リードを守れずに五回で降板し、続く六回も2番手の石井が2死満塁のピンチを迎えるなど中盤は防戦の展開となった。七回も左腕・高梨に対して先頭の木浪が凡退。ここで代打で登場した原口が、持ち前のしぶとさを発揮した。
しっかりとボールを見極め、8球粘って四球を選んだ。試合の流れから言えば三者凡退で終わることは絶対に避けたい場面。終盤の競り合いで、こうした1つの四球が流れを変えるきっかけとなることはよくある。まさにそれが現実となった。
巨人サイドの継投のタイミングも分岐点となった。
1死二、三塁から中野が四球を選んで満塁。巨人サイドはここで高梨続投での渡辺勝負と、右投手にスイッチしての左の代打との勝負を天びんにかけて前者を選んだと思うが、結果的にその判断は阪神サイドに有利に働いた。打撃戦となった中で、1つの四球と継投判断が勝敗を分けた形となった。