阪神・森下 初4番弾!零敗のリベンジ果たし自力V復活

 「巨人5-8阪神」(13日、東京ドーム)

 球団110代目で、自身初の4番に座った阪神の森下翔太外野手(23)が初回に先制11号2ランを放った。2リーグ分立後、球団生え抜きでは史上初の4番初打席での本塁打。佐藤輝がスタメン落ちとなった中、最高の結果で1年目の10本塁打を超えた。チームは4点リードを追い付かれたが、七回に渡辺が決勝の3点二塁打。首位・広島が敗れて3差に迫り、自力優勝の可能性が1日で復活した。

 重圧すら感じていなかった。むしろ任された大役に力が湧いた。森下の打球は、大歓声の中、左中間スタンドへ。人さし指を突き立て、貫禄たっぷりにダイヤモンドを回る。ベンチで仲間たちに出迎えられると、“新4番”のとびきりの笑顔が輝いた。

 「3番だろうが4番だろうが気持ちは変わらないですけど、4番ってチームの核となる選手なので、中途半端なことはできないっていうのはありました」

 試合前のスタメン発表で東京ドームに衝撃が走った。前夜、痛恨の失策で決勝点となる先制点を献上した佐藤輝がスタメン落ち。コールされたのは「4番・ライト森下」だった。東海大相模時代、中大時代も4番は経験しているが、プロでは初の大役。球団史上110代目の4番に名を刻んだ。

 打順的に初回で回って来る時は必ず走者がいる場面。2死二塁の好機に「準備できる時間がすごくあったので」としっかりイメージできた状態で打席に入った。試合前までリーグトップの得点圏打率・352を記録。「タイムリーを打つ事を意識していた」。グリフィンの2球目、外角高めのフォークを逃さずフルスイング。先制の一撃は、自身最多の今季11号2ランに。2リーグ分立後、球団生え抜き4番デビュー戦の第1打席本塁打は初の快挙となった。

 「アイブラック兄弟」の兄貴分、佐藤輝を普段から「輝さん」と慕っている。2軍再調整を経て6月に佐藤輝が再昇格した際はこう話していた。「やっぱりいてくれるだけで存在感はすごく大きい。相手にプレッシャーもあると思いますし、大きいかなと」。佐藤輝がいる安心感もあり、同じ中軸の森下も思いきりプレーができている。

 そんな輝さんの“代役”に抜てき。「自分が出塁できれば後のバッターにもチャンスが来るので。打線という意味で4番に置いてくれたのかな」と感じていた“使命”をしっかり果たした。広島が敗戦し、チームは自力優勝の可能性が復活。逆転優勝へまだまだ希望はある。

 「今ストライクボールが結構見えている」と好調の森下は14日が24歳の誕生日。23歳最後の一戦は、自らのバットで貢献し、白星を導いた。「勝てたので。明日また誕生日迎えて、いい1年にしたいと思います」。はにかみながら、23歳を締めくくった。

 ◆移籍組などの阪神初4番試合では… 移籍組では、金本知憲が阪神では初めて4番を務めた2003年8月9日・広島戦の第1打席で右中間へのソロ本塁打を記録。ちなみに、宿敵・巨人の現4番・岡本和もプロ初4番に座った18年6月2日・オリックス戦の第1打席でソロ本塁打。

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