阪神・岡田監督 バッテリー交代「コーチに聞いてくれ」 9年ぶり東京D全カード負け越し 首位4差、自力V再消滅

 7回、併殺に倒れ悔しがる大山(撮影・田中太一)
 5回、梅野(手前)と及川のバッテリーの交代を告げる岡田監督(撮影・田中太一)
 8回、投手交代を告げる岡田監督(撮影・田中太一)
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 「巨人4-0阪神」(14日、東京ドーム)

 7連勝でスタートした後半戦開幕の勢いが失われつつある。阪神は及川雅貴投手(23)がチーム今季初となる満塁弾を浴びると、反発力に欠けた打線は今季16度目の完封負けを喫した。ヤクルト、広島、巨人と続いた9連戦は3勝6敗で3カード連続の負け越し。逆転サヨナラ勝ちを収めた首位・広島とのゲーム差は「4」に開き、またも自力優勝の可能性が消滅した。

 九回2死、大山が二ゴロに倒れると同時に岡田監督はきびすを返し、ベンチから引き揚げた。

 「コーチに聞いてくれ」

 球場内の通路を歩く姿には言いようのない怒りがにじんでいた。試合後の取材に応じることなく、ひと言だけ言い残して球場を去った。平田ヘッドをはじめ、コーチ陣もほぼ無言。厳しい表情と重い足取りが敗戦の持つ意味を物語っていた。

 四回に悪夢が待っていた。先発の及川は坂本、岡本和の中軸を打ち取り2死としたが、大城卓を四球で歩かせると投球に変調をきたした。モンテスの左中間二塁打で二、三塁とされると、安藤投手コーチがすかさずマウンドへ。一呼吸置いたが左腕が持ち直すことはなかった。門脇に四球を与えて満塁とすると、高卒2年目の浅野にカウント1-1から浮いた変化球を左翼席に運ばれた。チームにとって今季初の満塁被弾だった。

 岡田監督は五回の守備から及川に代えて富田、梅野に代えて長坂を送り出し、バッテリーごと入れ替えた。六回の攻撃が9番から始まるという打順の巡り合わせもあったが、試合中盤に正捕手をベンチに下げるという異例の采配を振った。

 難敵の戸郷を打ち崩そうと指揮官は初回から積極的に動いた。先頭の近本が左前打で出塁すると、続く中野の初球にエンドランを敢行。走者を一つでも先の塁に進め、右腕に揺さぶりをかけた。

 4点を追う八回には2死から糸原、渡辺と2者連続で代打を送った。延長戦の前に3人目の捕手を起用するリスクを冒してでも追いすがったが、一、二塁の好機で近本は二ゴロに倒れた。

 反発力不足の打線は7安打無得点と沈黙。今季16度目の完封負けを喫した。今季最後となった東京ドームでの巨人戦を1勝2敗で終え、15年以来9年ぶりに敵地で全カード負け越しという屈辱的な数字が並んだ。

 7連勝で飛び出した後半戦開幕の勢いが陰りつつある。正念場だった9連戦は3勝6敗。広島、巨人の上位3球団で唯一の負け越しとなった。逆転サヨナラ勝ちの首位広島とのゲーム差は、今季最大タイの「4」に開いた。再び自力優勝の可能性が消滅。球団初の連覇を目指す岡田阪神が追い込まれつつある。

 ◆上位3球団の今9連戦は… 阪神は今9連戦を3勝6敗で3つの負け越しに。一方、同期間の首位・広島と2位・巨人は共に5勝3敗1分けで貯金を2つ増やした。

 ◆悔G…今季巨人戦ゼロ敗5度目 阪神はこの日で今季16度目の完封負け。そのうち、巨人戦は最も多い5度目となった。巨人戦5度の完封負けは2015年以来、9年ぶり。

 ◆東京ドームG戦全カード負け越し 阪神は東京ドーム今季最終戦を落とし4勝8敗で終了し、東京ドームでの巨人戦全カード負け越しに。東京ドーム巨人戦全カード負け越しは、5カード全てで負け越した2015年以来、9年ぶりの屈辱。この年は2連戦が2カードあった。また、東京ドームでのシーズン8敗は9敗した20年以来で、この年は1カードで勝ち越している。

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