セのV争いに阪神が残る条件 先発投手陣の出来が9月に“ピーク”を迎えること 野田浩司氏の眼

 阪神・才木
 広島・大瀬良
 巨人・戸郷
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 セ・リーグは首位広島から3位阪神までのゲーム差が「4」に開いた。史上まれにみる大混戦から広島、巨人の“2強”が抜け出すのか、それとも阪神が巻き返すのか。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「最後は投手の出来次第」と語り、9月の勝負どころで「先発陣がピークの状態にあるチーム」をV条件に挙げた。(数字は15日現在)

  ◇  ◇

 今年は投手の成績がよく、打者の成績が伸びてこない。前半戦ほどではないが、この投高打低の傾向はシーズン最後まで続くでしょうね。

 14日は巨人が浅野の満塁ホームラン、広島は菊池が逆転サヨナラ3ランを放つなど派手な試合をしていたが、やっぱり簡単には点が入らない投手戦が今後も展開されると思う。

 そういう意味では地味かもしれないが、優勝の決め手は「投手の出来次第」ということになるのではないか。

 残り30試合を切ってラストスパートの段階になったころというのは、疲労が蓄積されているもの。1週間に1度の登板で、あまり無理をさせない昨今の起用であっても疲れはあるはず。その時季に下がり目のチームは苦しい。脱落していくでしょう。

 特に先発投手陣でしょうね。月間MVP級の活躍をする投手が、9月の勝負どころでチームに何人出てくるか。その差で結果が決まってくるように思う。

 (チーム成績は8月15日現在で、首位広島と2位巨人とのゲーム差が1。広島と3位阪神との差は4となっている)

 今、優勝争いをしている広島、巨人、阪神はどこも投手陣がしっかりしていて中継ぎも抑えも強力。先発投手陣も質が高い。広島の大瀬良はいまだに防御率が0点台だし、巨人の戸郷は2試合連続完封で乗りに乗っている。

 いい投手が、いいコンディションで投げるとなると、そう簡単に打てるものではないからね。おまけにリリーフ陣も強いとなると、打者には厳しいですよ。

 今年は打てない打線など、得点不足の攻撃力を問われることが多いが、この時季になって“いかに打線が爆発するか”と期待しても難しいように感じる。

 試合運びとしては、先行逃げ切りというオーソドックスな野球でいかに勝ちきるか。そのためには先手を取るためのバントなど攻撃面も同様に、地味な作戦が増えるかもしれない。

 広島も巨人も阪神も「守り勝つ野球」という意味では、似たようなカラーになってきている。その中で現状、一歩後退している阪神はどうか。

 上にいる“ライバル球団”が2チームという点では不利。また柱の投手となるべき才木にやや疲れが見えるかな。そこは不安のタネ。ただ彼はMVP級の力を持っている投手。

 阪神は才木を含め村上や西勇、大竹、ビーズリーという先発陣が、20試合ほどを残す9月の最終コーナーを、最高のコンディションで迎えられれば、巻き返しは十分可能でしょう。

 当たり前のことだが、追いかける立場だけにこれ以上離されないこと。そして少しでも差を詰めて9月を迎えられれば。

 今後は三すくみの直接対決も重要になる。しかし、どの試合もほぼ“紙一重”で決着がついているから、この3チームにまったく差は感じない。“混セ”は最後の最後まで続くと思う。

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