阪神 高校生NO.1捕手、健大高崎・箱山をリストアップ 二塁送球1・8秒、打撃でもセンバツV貢献

 阪神が今秋のドラフト候補として、高校生ナンバーワン捕手の健大高崎・箱山遥人捕手(3年)をリストアップしていることが15日、分かった。3年ぶりとなる捕手のドラフト指名へ、今春の選抜大会を制した強肩強打の捕手を将来的な“扇の要”として注視している。

 虎の左腕・高橋が感動的な復活勝利を挙げたばかりだが、阪神はもう一人の「遥人」に熱視線を送っていた。今秋のドラフト会議で捕手の指名を検討しているとみられ、健大高崎の箱山がリストに名を連ねているという。

 高校生ナンバーワン捕手の呼び声が高い箱山は1年秋から正捕手を担ってきた。二塁送球は1・8秒の強肩。2年春から4番を務め、今春の選抜大会では全5試合でスタメンマスクをかぶり、18打数8安打、打率・444、6打点と打撃でも存在感を発揮し、県勢初の全国制覇に貢献した。

 4月にはU18(18歳以下)高校日本代表候補選手の強化合宿にも参加。実戦初使用だった木製バットで本塁打を放つなど適応力の高さも見せた。

 今夏の群馬大会では5試合で打率・563、2本塁打、12打点を記録。視察した吉野スカウトは「(春は)差し込まれている打撃だったけど、しっかりと捉えられるようになってきた。高校生の中では肩が強い」と高い評価を与えた。

 春夏連覇を目指した夏の甲子園では2回戦で智弁学園(奈良)に敗れたが、九回には捕手前への犠打を素早く拾い上げ、ジャンピングスローで三塁封殺。持ち前の強肩で聖地を沸かせた。試合後は「思い出作りに来た場所じゃない。プロになって戻ってきたい」と甲子園の土を持ち帰らずにプロ志望を明言。タテジマに袖を通すことになれば、その言葉を現実のものとすることができる。

 阪神は22、23年度ドラフト会議で2年続けて捕手を指名していない。3年連続は過去に例がなく、今年度は捕手の指名が有力視される。岡田監督はかねて高卒野手の育成に強い意欲を示しており、特に高卒捕手が定位置をつかめばチームが長く安定するとの考えを持っているという。他のドラフト候補捕手では日本生命の石伊らの名前も挙がる。

 チームの主戦捕手では梅野が33歳、坂本が11月に31歳を迎える。梅野は打率・187、0本塁打と打撃が低迷。4月に国内FA権を取得した坂本も打率・217、0本塁打で11日に出場選手登録を抹消された。次世代を担う“正妻”の育成は喫緊の課題となっており、虎の選択が注目される。

 ◆箱山 遥人(はこやま・はると)2006年4月26日、18歳。東京都足立区出身。176センチ、80キロ。右投げ右打ち。5歳から野球を始め、本木小では「ジュニアヤンガース」に所属し当時から捕手。区立第九中では「江戸川中央シニア」で全国大会4強。健大高崎では1年秋から正捕手としてベンチ入りし、昨春と今春のセンバツ出場。50メートル走は6秒5、遠投は100メートル。二塁送球は1・8秒。高校通算35本塁打。

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