「中日２－１阪神」（１６日、バンテリンドーム）

　連日の猛暑に虎打線も夏バテしたのか。阪神はわずか３安打１得点で、４カード連続の初戦黒星を喫した。９試合連続１桁安打と勢いを失った打線に、岡田彰布監督（６６）も「ヒット３本でどうする言うねん」とあきれ顔。首位・広島とは今季最大４・５ゲーム差に開いた。リーグ連覇を目指す阪神が正念場を迎えている。

　わずか２時間２９分での敗戦だった。得点は“スミ１”で、二回以降は１安打。球場の左半分を埋めた阪神ファンの弱々しい嘆き声は、あっという間に中日ファンの大歓声にかきけされた。

　岡田監督も言葉に力がない。淡々と試合を振り返った。「つないでいかなあかんのに。大振りして、そんなんでヒット３本でどうする言うねん。ホームランばっか狙ってるんちゃう？そういうスイングに見えるよな。誰か知らんけど」。怒りや悔しさを通り越したような苦笑いに、もどかしさがにじんだ。

　首位・広島と２位・巨人は台風７号接近の影響で試合が中止。阪神としては５位・中日が相手だけに、差を詰めておきたい状況だった。初回は大山の適時打で幸先良く先制し、先頭近本の打球が直撃した小笠原は初回を投げ終えて降板した。

　しかし、中日が継投策に入った二回以降が誤算だった。五回まで出塁は四球による１人だけ。岡田監督は小刻みな継投に対して「そんなん関係ないよ」と対応できない打線の現状を嘆いた。

　六回無死一塁は森下が１ボールから橋本の外角高めの直球を、強引に引っ張ったように見える打撃で遊ゴロ併殺。「自分の技術的にも状態的にもあまりいいものがなかっただけです」。初回１死二塁でも１ストライクから小笠原の外角チェンジアップを引っかけて三ゴロ。チームに貢献できなかった打撃を猛省した。

　ツキにも見放された。七回は２四球で１死一、二塁とし、代打・渡辺。しかし、鋭いゴロは一塁の正面へ飛んでしまう。併殺に終わり、一瞬で好機が消えた。「当たりとしては悪くなかったけど、あそこでゲッツーを打ってしまったっていうことを反省したい」。現状の悪い流れを象徴するシーンだった。

　球宴後は復調していた打線の状態が深刻だ。６日・ヤクルト戦で１２安打を放って以降、９試合連続で１桁安打。その間は３勝６敗で３度の零敗を喫している。

　４カード連続でカード初戦を落とし、広島とは今季最大の４・５差まで広がった。残り３４試合。岡田阪神が球団史上初のリーグ連覇へ向けて最大の正念場を迎えた。