阪神 激痛ドロー「あと1人」から取りこぼし 佐藤輝拙守で岩崎また背信

 9回、代打福永の打球で木浪の送球を受けるも、佐藤輝はどこにも投げられず同点を許す(撮影・飯室逸平)
 9回、リードを守り切れず、ガックリとベンチへ戻る岩崎(撮影・飯室逸平)
 10回、好機で無失点に終わり、選手交代を告げる岡田監督(撮影・田中太一)
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 「中日5-5阪神」(17日、バンテリンドーム)

 阪神は今季6度目となる痛恨のドローで、4カード連続勝ち越しなしとなった。5-3の九回2死満塁から守護神の岩崎が代打の福永に遊撃への適時内野安打を浴び、二塁走者の生還まで許した。岡田彰布監督(66)は岩崎の四球と、三塁・佐藤輝の判断に苦言を呈した。ただ、首位・広島が敗れたため、ゲーム差は4に縮まった。

 またも悪夢のような光景が繰り返された。「あと1人コール」が落胆の嘆きとなる。阪神ファンの視線の先では岩崎が表情を失っていた。今季最長4時間45分を戦った末、勝たなければいけない試合を取りこぼした。「何かもう、いっぱいありすぎて答えようがないわ」。痛恨のドロー。岡田監督は表情に徒労感をにじませ、ゆっくりとバスへと進んだ。

 2点リードの九回。守護神が誤算だった。この回から登板した岩崎が1死から連打を浴び、2死後は代打・ブライトに四球を与えて満塁にしてしまう。指揮官が「点が入る時はフォアボールやって、ずっと言ってるやろ。一番分からんバッターやんか、対戦のないような。それにフォアボールなんやもん」と悔やんだ対戦が後に響く。

 続く代打・福永には遊撃への同点2点適時打を許した。左腕は「リリーフみんなナイスピッチングで、本当に申し訳ないゲームになりました。ファンの方たちにも本当に申し訳ない」。うつむき、反省の言葉を並べた。

 岩崎は今季4度目のセーブ失敗。配置転換を問われた岡田監督は「何も考えてないよ、そんなの。今、終わって」と明言を避けたが、今後にとって頭の痛い問題となった。

 同点の2点適時打にも誤算があった。福永のゴロは三遊間へ飛び、佐藤輝と木浪がともに打球を追った。佐藤輝は途中で打球を追うことを諦め、木浪が飛びついて打球を捕球。しかし、佐藤輝はその場で木浪の動きを見たまま、三塁に背を向けて二走・尾田の動きを見ていなかった。

 木浪が捕球すると佐藤輝は手を挙げて呼び、ボールを受け取ると三塁へ。「(尾田が三塁を)回っていたら(木浪が本塁へ)投げてくれると思った。僕は走者が(三塁)戻っていると思ってプレーしていた」。しかし、オーバーランしていると思った走者はすでに本塁へ向かっていた。

 岡田監督は木浪が走者を見ることは厳しいとした上で、佐藤輝に対して「(走者を)見えてなかったいうのと、見てなかったいうのは違いがあるよな。野球勘やけどな、それはもう。誰が近くで見てるの?誰が指示せなあかんの。簡単なことやんか」と苦言を呈した。

 10試合ぶりの2桁安打で5点を奪い、八回までは投手陣も踏ん張った。それでもわずかなスキから逃げていった白星。ダメージの大きさを計り知れない引き分けとなった。

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