阪神・近本 4安打でチームを鼓舞「あとは結果だけ」5試合連続の初回安打&2戦連続猛打賞
「中日8-4阪神」(18日、バンテリンドーム)
勝利への道を切り開くために阪神・近本光司外野手は自らの仕事に徹した。連日苦しい戦いを強いられ、沈滞する猛虎を鼓舞する4安打。それでもチームの勝利には結びつかなかった。
「やりたいことはしっかりできているので。あとは結果だけ。勝てればよかった」
いきなり切り込み隊長として役割を果たした。左腕・大野と対戦した第1打席。1ストライクからの2球目、内角寄りの高め143キロ直球を逆方向にはじき返した。5試合連続の初回安打となる左前打でチャンスメーク。得点にこそつながらなかったが、攻撃の起点にはなった。
左対左は投手が有利とされるが、全く苦戦する姿はない。0-0の三回1死二塁の好機では、1ボール2ストライクから左腕が投じた外角144キロのストレートを捉え、左翼線にはじき返した。その間に二走・木浪が先制のホームに生還。7月21日・広島戦(甲子園)以来、21試合ぶりの打点をマークした。
勢いは止まらない。先頭の五回にも大野から左前打を放ち、2試合連続となる猛打賞。さらに九回1死一塁の第5打席でも左腕・橋本から左翼へ安打を記録した。4安打すべて逆方向。七回には四球を選んでおり、5打席すべてで出塁した。
試合前から準備していた左腕への対策。フリー打撃でも逆方向に打球を飛ばしていた。「右も左も一緒のように打てたらと思っています」と、今季の対左投手は136打数、49安打で打率・360と好成績を残す。
7月から好調を維持する打撃。この日の固め打ちで今季の安打数は118本となり、124安打でリーグトップの中日・細川の背中が見えてきた。また、通算安打も891本となり、こちらも入団6年目までの最多となる巨人・長嶋茂雄の926本を射程圏にとらえている。
20日からはホームでヤクルトとの3連戦(京セラ)を迎える。上位チームにこれ以上離されるわけにはいかない。「右ピッチャーでもしっかり打てるように頑張りたい」と近本。1番打者としてチームが勝つために勢いは止めない。