阪神・才木 キャリアハイ10勝目!7回3安打無失点 7度目連敗ストップ「“俺で止めるか”という気持ちでいってる」

 「阪神8-3ヤクルト」(20日、京セラドーム大阪)

 託された期待は裏切らない。阪神・才木浩人投手(25)が7回無失点の好投で、自身初となる2桁勝利を果たした。チームが引き分けを挟んで3連敗中と苦しい状況にあって、自身今季7度目となる連敗ストップ。首位・広島とのゲーム差は5のまま変わらないが、本領発揮の白星を刻み、諦めることなく戦い続ける。

 最後のピンチを脱すると、右拳を握ってグラブをたたいた。才木が7回3安打無失点で今季7度目の連敗ストップ。ここ2戦の悔しさを白球にぶつけた。「しっかりゼロで抑えられたので、いい修正ができた」。三度目の正直で節目の10勝目をつかんだ。

 初回はあっさりと三者凡退。四回2死一、二塁のピンチでは宮本をフォークで空振り三振に仕留めた。七回は2死から連続四球を与えたが、岩田を初球の151キロ直球で左飛。「ゼロで抜けられたのが良かった」。ベンチ前で久しぶりに満開の笑顔が咲いた。

 前回登板の13日・巨人戦(東京ド)は5回8安打で今季ワーストの5失点。前々回の6日・ヤクルト戦(神宮)では6回4失点と試合を作れず。5月からそのヤクルト戦まで、12試合連続で100球超えとなっていた。「疲れもある」。体は正直だった。

 1年間ローテを守り抜く厳しさ。「壁にぶつかっている」と表現した。西勇にも助言を仰ぎ、1週間の調整方法にも工夫をほどこした。「ここを乗り越えていければ、自分も成長できる」。一皮むけるような118球となった。

 四回2死ではプロ初の長打となる二塁打も放った。須磨翔風からタテジマのユニホームに袖を通し、8年目。「立ち位置は変わっているんで」。無我夢中だった若手時代。22年には故障からの復活もあった。23年に飛躍を遂げ、今季は先発陣の大黒柱まで成長。その裏には多くの支えがあった。

 一つはファンの存在。昨年までは誹謗(ひぼう)中傷も届いた。「そういう人のおかげで強くなったとか嫌だから」と気にしない性格。その分、温かい声には耳を傾けた。「ただの気まぐれ」というインスタライブもファンサービス。この日も勝利で喜ばせるために腕を振った。

 「せっかく投げるんやったら、楽しんで投げないといけない。見てくれてるファンの方もいる。そういう人のために思い切って投げてるところを見てもらいたいと思ってた」

 チームは引き分けを挟み、3連敗でストップ。5カードぶりに初戦を取った。逆転優勝へ、光は消えていない。残り31試合。「(連敗でも)“俺で止めるか”という気持ちでいってる。任せてください」。苦しい時でも才木なら、明るく照らしてくれる。

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