「阪神８－３ヤクルト」（２０日、京セラドーム大阪）

　欲しかった追加点は５番のバットから生まれた。３点リードの七回１死一、二塁。阪神・大山は１ボールからの２球目、山野の外角フォークを左前にはじき返し、二走の近本を本塁へ迎え入れた。

　「『次の１点を』というのがあったので、点を取れて良かったし、勝てて良かったです」

　初回に１死満塁の先制機で見逃し三振に倒れた。今季は満塁で１０打数１安打となり、虎党の大きなため息を誘っていた。その後も２打席連続で凡退していたこともあってか、珍しく一塁上で両手をたたき、感情をあらわにした。

　チームは初回に幸先よく３点を先制したが、二回以降は吉村を攻めあぐね、スコアボードに「０」が５つ並んでいた。先頭の近本が出塁し、中野の犠打と森下の四球で１死一、二塁となったところで、ヤクルトは山野にスイッチ。佐藤輝は空振り三振に倒れたが、そのまま続投した左腕を大山が一振りで攻略した。

　八回には中野、佐藤輝の適時打で３点を加え、巡ってきた２死一、二塁のチャンスで再び山野の初球をとらえた。白球は左翼フェンスを直撃。特大の適時打で一挙４得点のビッグイニングを締めくくった。クリーンアップが走者をかえせば必然的に勝利に近づく。２打点の大山が中軸の存在感を示した。