【岡義朗氏の眼】阪神 普通の野球をやればええんやんか 中野の好走塁が大量得点の引き金に?

 「阪神10-4ヤクルト」(21日、京セラドーム大阪)

 阪神がヤクルトに連勝し、5カードぶりに勝ち越した。15安打の10得点。大差をつけての快勝だったが、デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「やるべきことをやった結果」と語り、特に中野拓夢内野手(28)の好走塁が大量点の引き金になったと評価した。

  ◇  ◇

 やるべきことをきっちりやる。そうやってチームに流れを引き込む。岡田監督がよく口にする“普通”の野球だが、これを実践した結果、2桁得点という大きなゲームになったと感じる。

 まずは中野のタッチアップだ。初回一死二塁。森下の右飛は微妙な当たりだったが、当然のように三塁を狙った。直後に佐藤輝が初球、やや浮いた変化球をたたいて先制の二塁打を放った。

 なぜ浮いたのか。それは二死三塁という状況がサイスニードの手元を狂わせたからだろう。暴投はできないという心理的プレッシャー。二塁と三塁では「景色が変わる」とよく言われるが、そういう状態に追い込む好走塁だったのではないか。

 中野は昨年に比べて打撃が不調のようだが、初回の1打席目は苦手とみられる内角高めの直球を右線に運んだ。うまく打った。これで一気にチャンスが膨らんだ。

 もうひとつの“普通”の野球は五回、2点を返されたあとの追加点。一死一、二塁から西勇が送りバントをきっちり決め、この四球で得た2人の走者を近本のヒットで返した場面だ。

 ヤクルトが反撃に出ようとしていた矢先だっただけに、追い打ちをかける重い2点だったように思う。

 タッチアップも送りバントも地味ではあるが、当然大切だ。こういうやるべきことができるかどうかで勝敗は左右されるもの。

 この日は華々しく打って、豪快に得点した。大山と佐藤輝がそろって2ラン。中日戦までの重い空気とは違い、活気が出てきた。

 阪神が優勝するには、やはり打線の復調が不可欠でしょう。これまで打てないチームが優勝したケースなど、ほとんど見たことがないからね。

 かつて中日が落合監督時代に『1点リードしていれば勝てる』と話していたことがあるけど。打てないが、チーム防御率はリーグ1位。そういうのは例外に近いのではないか。

 (過去にチーム打率がリーグ6位で優勝したのは3度で、セ・リーグは1961年の巨人・2265と2011年の中日・228、パ・リーグは1987年の西武・249しかない)

 現状、広島が首位を保っているのも、弱かった打線が上昇してきたからだろう。球宴後、軸になるべき坂倉に当たりが出てきたのは大きい。

 その広島は巨人に負けて阪神とのゲーム差は4になった。いずれにせよ阪神としてはヤクルトに3連勝して週末の広島戦を迎えることだ。

 3連勝などそう簡単にやれるものではないが、期待のもてる雰囲気にはなってきている。

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