阪神・高橋遥人 正念場の3連戦!つないだ希望の光 またも鯉斬り首位4差 復帰後2連勝「リリーフのみなさんさまさまです」

 「広島1-3阪神」(23日、マツダスタジアム)

 落とせば『終戦』の2文字が近づく正念場で、左腕がまたもチームを救った。阪神・高橋遥人投手(28)が七回途中1失点の好投。自身復帰後2連勝で、首位・広島とのゲーム差を「4」に縮めた。ただ、楽観視はできない。3連勝、最低でも勝ち越しが求められる3連戦。今こそ王者の底力を見せる。

 正念場の大一番で、大仕事をやってのけた。5年前とは違う。高橋の表情はすがすがしかった。

 「大事な1戦目に投げさせてもらって、試合を作るのが目標だったので。それができてよかったのと、今日の方がいつも通りの自分で投げられた」

 初回は2死二塁のピンチを無失点に。その後は圧巻だった。二回から五回まで安打も許さず。「ストレートがよかったかなと」。特に四回以降は直球がさえたといい、内角も果敢に攻めた。

 「よかった」と振り返ったのは六回のプレー。先頭の代打・中村奨に中前打を浴びたが、続く野間の高くバウンドした打球を、高橋はジャンプして捕球。二塁に送球して併殺を完成させ、0でしのいだ。七回は連打に味方の失策で無死満塁となり、石井に交代を告げられたが、6回0/3を4安打1失点7奪三振。91球の熱投を見せた左腕に、温かい拍手が降り注いだ。

 マツダには苦い思い出があった。19年9月6日。1点を追う三回1死一塁。西川が放ったボテボテの打球は高橋の横をすり抜け、左腕は一塁ベースカバーに入れず。内野安打となり、ここから4回6失点KO。全力プレーを怠ったことを当時の矢野監督にベンチで公開説教され、涙を流した。同球場では19年の2試合に登板し、通算2戦2敗。そんなつらい記憶を振り払う好投だった。

 度重なる手術から復帰した前回11日の広島戦では1025日ぶりの白星を挙げたが、「今回の方が達成感というか、納得できるボールだった」と高橋。「テンポよく投げられてゴロが多くなった時はそういう感じしました」と手術前の状態に近づいた感覚もあった。「すごい投げやすくて、暑かったです」。いやなイメージはもうなくなった。

 首位・広島と5差で迎えた直接対決。逆転優勝へ、この1勝が持つ意味は大きい。岡田監督は「今日コントロールよかったよなあ。だから球数がな、前回の5回と一緒くらいやったから」と絶賛。「期待に応えてくれている?」という問いには「うん、そういうことや」とうなずいた。ただ、「そんな無理したらアカンやん。そんなんもう、登板間隔って、投げ抹消よ」と再び登板間隔を空ける考えだ。

 自身の好投で導いた勝利にも「本当にかっこいいなと思って、リリーフのみなさんさまさまです」と謙虚に話した高橋。「しっかり思い切って投げて貢献できればと思います」。まだまだ進化を続ける左腕が、大逆転劇の立役者となる。(

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