阪神・岡田監督「バントだけやんか」木浪のバント失敗に怒り 糸原&原口代打攻勢も痛すぎる敗戦

 8回、2死三塁の好機で空振り三振に倒れ、ぼうぜんとする佐藤輝
 7回、スリーバントを失敗する木浪(撮影・立川洋一郎)
 8回、2死三塁の好機で空振り三振に倒れ、ぼうぜんとする佐藤輝
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 「広島2-1阪神」(24日、マツダスタジアム)

 敗戦の持つ意味は誰よりも分かっている。だからこそ、試合後の阪神・岡田彰布監督は怒りに震えていた。

 「バントだけやんか。それだけや」

 そう言って笑みを浮かべたが、裏側には明らかな怒気をはらんでいた。報道陣が質問を続けたが「いや、バントだけやって、だから。そういうことやんか」と取材を打ち切るように歩き出した。

 指揮官が最大の敗因としてあげたのは1点を追う七回の攻撃だった。先頭の大山が島内の初球を左前にはじき返して出塁。前川は右膝付近に死球を受け、わずか2球で無死一、二塁と好機が広がった。ただ、続く木浪が痛恨のスリーバント失敗に終わり、走者を進めることができなかった。三塁側ベンチに戻り、悔しさをあらわにした木浪は「あそこが全てです」と責任を背負い込んだ。

 1死一、二塁となり、岡田監督は坂本に代えて糸原を代打に送ったが左飛に倒れ、伊藤将に代わる代打・原口も遊ゴロに終わった。指揮官の代打攻勢も実らず、原口は「何とかしたい気持ちはありましたけど結果なんで。打てるように次に向けて頑張ります」と力なく反省の言葉を並べた。

 今季何度も見たように、得点圏であと一本が出なかった。2点を追う六回は2死一、二塁から森下の中前適時打で1点差に迫ったが、続く佐藤輝が一、三塁で左飛を打ち上げた。八回2死三塁でも左腕ハーンの剛球に3球で空振り三振。佐藤輝はいずれも走者を置いた場面で4打数無安打に終わり「いいピッチングをされたので今日は向こうが上だったと思います。切り替えて頑張ります」と悔しさをにじませた。

 終盤の好機を生かせず直接対決第2戦に競り負け、首位広島とのゲーム差は再び「5」に広がった。残された直接対決が4試合。崖っぷちに立たされた虎だが、顔を上げ、帰りのバスに向かう指揮官の足取りは、諦めているようには見えなかった。

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