阪神・野口 1軍で「好守」見せるまでレベルアップした理由 恒例の工藤2軍コーチとのマンツーマン練習

 7月28日・中日戦の3回、大島の打球を処理して素早く送球する
 泉口の打球を処理する野口=7月31日
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 打撃だけでなく、守備も成長を見せている。阪神・野口恭佑外野手(24)は今季初めて1軍を経験。武器は打撃だが、スタメンでも14試合に出場し、3補殺を記録するなど守備でも躍動した。守備が課題だった野口が、1軍で好守を見せるまでにレベルアップした理由に迫った。

  ◇  ◇

 昨季主に2軍を取材していた中で、野口の課題は守備だと感じていた。工藤2軍外野守備走塁コーチとマンツーマンで守備練習を行う光景は恒例。試合中のプレーで工藤コーチに怒られている姿を見たこともあった。だからこそ1軍で見せた好守には驚いた。

 7月31日・巨人戦(甲子園)の二回1死。左翼を守っていた野口は、泉口の三塁線を破る安打を素早く捕球し、二塁へ送球。中途半端なバウンドにはなったが、二塁でタッチアウトにし、ピンチの芽を摘んだ。

 筒井外野守備走塁コーチもこのプレーを「めちゃめちゃいいでしょ」と絶賛。ただ、「特別驚いたことはなかった。野口ならやるやろうなと思いながら見ていた」とも明かした。普段から「隙を与えない」ことをテーマにし、「捕って、しっかり投げる」ことを徹底させてきた。普段通りにできた結果だった。

 他にも好プレーはあった。7月28日・中日戦(甲子園)の三回1死三塁で大島の左翼への浅いフライを捕球し、遊撃・木浪へ素早く返球。木浪も本塁へ送球し、三走・龍空をタッチアウトにした。中継プレーを完成させ、筒井コーチは「野口は連係が苦手なので、僕はうれしかったですね。あれができたんやったら幅が広がるなと思って」とうなずいた。

 1軍で見せた好守に野口自身は「ファームでは守備でいいところあんまりなかったので。今まで工藤さん、(筒井)壮さんとやってきたことが、結果として出てる」と明かす。「野口に関しては、1軍2軍共有しながら作り上げていけている」と筒井コーチ。工藤コーチには練習メニューのリクエストも伝えるなど、連携してきたという。

 工藤コーチは「野口は基礎ができてなかった」と振り返る。筒井コーチとは「肩の強さは元々持ってる子だから、そこを最大限に生かした守備をしていこう」と方針を決め、2軍ではスローイングの強化に取り組んだ。

 基礎から徹底させるため、見つめ直したのはキャッチボールだった。常々伝えてきたのは「変な投げ方をしたら絶対いいところにはいかない」ということ。どういう投げ方をしたら狙ったところに球がいくのか。きちんと考えて理解することで送球の精度を向上させた。投げ方は上半身と下半身の連動を意識した。「キャッチボールがすごい下手な子だったけど、やっとプロ野球レベルになった」と工藤コーチ。キャッチボールを改善することで、試合での送球も徐々にレベルアップしていった。

 確実に成長は遂げているが、まだまだ課題はある。「まだ1軍の試合でも送球がぶれることもあったから。一定した守備を、もっと高めていかないと絶対レギュラーにはなれないんで」と工藤コーチ。筒井コーチも「いいプレーが当たり前になっていかなあかんし、『野口のところ飛んだらやめておこう』と相手の走塁の抑止力になってきたら最高やなと。成功体験を重ねて自信をつけてってくれたら」と期待を込めた。21日に2軍降格となった野口。打撃だけでなく守備にも磨きをかけ、再び1軍の舞台を目指していく。(デイリースポーツ・山村菜々子)

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