「ＤｅＮＡ３－２阪神」（２８日、横浜スタジアム）

　阪神は競り負けて連敗を喫し、３カードぶりの負け越しで４位・ＤｅＮＡに１・５ゲーム差に迫られた。首位・広島が勝ち、ゲーム差は今季最大に並ぶ５に広がった。巨人、オリックスで活躍したデイリースポーツ評論家の谷佳知氏は「チームが苦しい時こそ、勢いをつけてくれる若い力が必要。起爆剤がほしい」と指摘した上で、プロ初本塁打を放った井上広大外野手（２３）に期待を寄せた。

　リーグ連覇が遠のきつつあり、４位・ＤｅＮＡの追い上げを許している現状。谷氏は「主力選手の力だけではなかなか、苦しい状況を打開ができない時がある。若い選手が必死にプレーして結果を出すと、チームに勢いが出る。そこに主力が乗っかっていけると、さらに大きな勢いをつかむことができる」とした上で、「今の巨人で言えば浅野。ＤｅＮＡなら１番に入っている梶原。彼らの活躍でチームは勢い付き、いくつかの試合をものにしている。阪神にも起爆剤になる若い力がほしい」と語った。

　その候補としてプロ初本塁打を打った井上の名前を挙げた。

　「六回の同点ソロは東の懐に入ってくるカットボールをうまく捉えて、左翼ポール際に運んだ。右打者が左投手に対した時、ああいう内側に入ってくるボールを打てるかどうか、そこで真価が問われる。井上はロングヒッターという自分の長所を最高の形で結果につなげた」

　その長打力を高く評価した上で、「勝てれば言うことはなかったが、井上の本塁打が出た瞬間、ベンチの空気も変わったように思う。七回に代打で中前打を放った小野寺もそうだが、若い選手が活躍すると、チームの士気はグッと上がる。残り２４試合。死球を受けた影響で欠場している前川も含めて、彼らが起爆剤になってくれることを期待したい」と語った。