阪神・大山 先制4番打 マルチ奮闘も逆転降雨コールド負け 今季最大5・5差、逆転Vへ残り22試合

 「阪神1(降雨コールド)3巨人」(1日、甲子園球場)

 阪神は七回降雨コールドで痛恨の敗戦を喫し、甲子園の連勝が8で止まった。逆襲を誓う9月は黒星発進となったものの、大山悠輔内野手(29)が初回に先制の適時打を放つなど2安打をマークし、存在感を示した。首位・広島とは今季最大5・5ゲーム差となり、残りは22試合。逆転Vに向けた戦いはまだ続くだけに、4番のバットにさらなる期待がかかる。

 これ以上、続けるのは無理だったろう。天候回復の見込みがなく、七回裏を終えて20分の中断後に降雨コールド負け。2点を追う中であと2イニングの攻撃を残し、無情の幕切れとなったが、大山は真っすぐ前を見つめていた。

 「先制点っていうところだったのでそれに関してはよかったですけど、試合に勝つか負けるかなので。ここまできたら結果が大事だと思うので、そういう意味ではまだまだだと思うので、次の試合に向けてしっかり準備したい」

 試合の主導権は猛虎が握った。初回、1死からの安打と失策で一、二塁の好機。スタンドの熱気が高まる中、4番に打席が巡ってきた。カウント2-0のバッティングカウントから相手先発・菅野が投じた3球目、外角直球を迷わずスイング。逆らうことなく右前に運び、二走・中野を先制のホームに生還させた。

 今季、試合前時点で9打数1安打と苦戦していた右腕から、勝負強さを発揮した貴重な一撃。これで得点圏打率はリーグトップの・352と高い集中力と存在感を示している。

 先制点こそ奪ったが、菅野の前になかなか攻略の糸口をつかめなかった打線。その中でも4番は必死に食らいついた。同点の四回だ。先頭で打席を迎えると、1ストライクからの2球目、外角寄りの147キロツーシームを再び右前にはじき返した。4試合ぶりのマルチ安打でチャンスメーク。ただ、後続が絶たれてホームを踏むことはできなかった。

 七回の攻撃を終え、試合開始早々から降り続いた雨は強さを増して中断。その間も声援を送り続けてくれるファンに何とか勝利を届けたかったが、願いはかなわず。甲子園での連勝も8でストップした。

 奇跡の逆転Vへ向けて残り22試合。首位・広島とは今季最大の5・5ゲーム差となったが、誰も諦めていない。負けられない戦いが続く。「自分が打ったことよりも、チームが勝つことが一番なので」と以前から勝利に対しての強い執念を口にしてきた大山。球団史上初の連覇を達成するには、再びチーム一丸となり目の前の試練を乗り越えるしかない。

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