阪神・近本 難敵攻略打 高橋宏から貴重3点目 好調止まらん16試合連続安打

 「阪神4-1中日」(3日、甲子園球場)

 マウンドでしゃがみこんでうなだれる高橋宏の姿が、追撃打の価値を示していた。阪神・近本のこの試合2本目となる安打は、リードを3点へと広げる適時打。代打・熊谷の犠打で作った絶好機を生かして難敵に大ダメージを与え、「クマがしっかりバント決めたんでね、何とか1点になるようにと思ってました」と冷静に振り返った。

 勝機をグンと高める一撃になった。七回。木浪の二塁打に続いて、熊谷が犠打を決めて1死三塁。マウンドにできた輪が解けるのを、打席に入って集中力を高めながら待った。2球目、内角高めに来た155キロ直球をはじき返すと、打球は前進守備の一、二塁間を抜けた。

 この試合まで防御率0・98の右腕を攻略し、ボルテージが高まるスタンドとは対照的に、クールな表情を崩すことなく筒井一塁ベースコーチとグータッチを交わした。

 初回先頭でも、高橋宏のカーブを捉えて中前打。今季の自己最長を更新する16連続試合安打とした。3試合ぶりのマルチ安打で136安打となり、リーグトップのヤクルト・長岡とは1本差の2位につける。

 だが今はまだ、個人タイトルに目を向けるときではない。「勝ったので良かったと思います」。正念場の戦いが続く限り、勝利への献身が最優先となる。

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