「上位3チーム 最大余力は阪神にある」前中日コーチの西山秀二氏の分析
「阪神9-4中日」(4日、甲子園)
阪神が甲子園での中日戦、今季9勝1分けと“無双”の強さで快勝し、首位・広島とのゲーム差を3・5に縮めた。巨人も含め、優勝争いの行方がますます混沌とする中、デイリースポーツ評論家・西山秀二氏は「余力は阪神」と断じた。
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初回はエラーも絡んで、嫌な点の取られ方をしたよね。先発の村上は1死二、三塁から4番・細川を三振に取りながら、次の宇佐見に簡単にタイムリーを打たれてね。
そういう流れで一回裏の攻撃を迎えるんだけど、近本がうまく流し打って、嫌な雰囲気を差し戻した。そこから一気の6連打、6得点でしょう。こんな攻撃は久しぶりじゃないかな。
雰囲気を見ると、去年の優勝に向けて突っ走っていた時のような圧力を感じさせた。
あと20試合となったところで、こうした攻撃を取り戻せたのは大きいですよ。
というのも、広島はとにかく投手が踏ん張って、打線は何とか得点してという目一杯の戦い方でここまで走ってきたから、息切れのリスクが大きい。
2位・巨人も今の成績は、若手に経験を積ませながら、その活躍とベテランの存在とがうまくかみ合ってのもの。この歯車がずっとかみ合ったまま、というのは考えづらいかな。
この上位2チームが“いっぱいいっぱい”の印象を与えるのに対して、阪神は「こんなはずじゃない、もっとできる」とずっと思わせながら、それでも打線が不安定だった。
そこが解消されるとなると、投打において余力があるのは断然、阪神ということになる。
阪神にとって、5日の試合が一番大事になってくるでしょう。ここを勝ちきれば、間違いなく近いうちに、上位に割って入ることになりますよ。