阪神・井上 仕上げの聖地初弾「本当に5年間、苦しんできた中で打てた1本」初球一振り浜風乗った2号2ラン 

 「阪神9-4中日」(4日、甲子園球場)

 待望の豪快な一発に聖地が沸き上がった。阪神・井上広大外野手が5年目で甲子園の初本塁打。「本当に5年間、苦しんできた中で打てた1本だったので良かったです」。うれしそうにダイヤモンドを一周。味わったことのない歓声を一身に浴びた。

 佐藤輝の勝ち越し打の直後。小笠原の初球だった。146キロの内角直球に腕をたたみ、左翼席へ飛距離121メートルの一撃。「風もレフトに吹いてるのがわかってたので、良かった」。浜風にも乗って、歓喜のアーチを描いた。

 履正社時代も夏の甲子園決勝で本塁打。プロ入り後、初の聖地弾は21年5月のファーム交流戦の巨人戦だった。昨年3月のオープン戦でも甲子園で一発。「いただいたことがないぐらいの大歓声だった」。努力が実を結んだ瞬間だった。

 新人時代から2軍では4番を任され、英才教育を受けてきた。平田ヘッドコーチにとっては2軍監督時代の教え子。「女房も子どももできたんだから、やらなきゃダメなんだよ」。この日はバント練習に付き添い、一緒に球拾い。優しさと厳しさを兼ね備え、成長させてくれた。

 オフにはかつての2軍打撃コーチだった、平野恵一氏(現・中信兄弟監督)とも数日の自主トレを行った。当時、同氏が言っていたのは「あいつさ、4時半ぐらいにすごいバッターになるの」。2軍の12時半からの試合が終わり、室内で特打をする頃に大変身。「それを朝一に持ってこよう」と特訓に励んだ。

 1日の始まり、1打席目、1球目にこだわってきた男が初球をホームラン。「1軍クラスの投手は甘い球を一振りで仕留めないといけない」。2軍降格のたびに痛感させられたことだった。「1球で仕留められたことは良かった」。確実に成長している。

 首位・広島の背中も見えてきた。終盤の起爆剤として、まだまだ活躍しなければいけない。「明日も勝って、必ず優勝するので応援よろしくお願いします」。相手の大野は左腕。大爆発の準備は整った。

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