阪神・佐藤輝 今季初の満塁弾 球団最速の通算300打点 チーム13安打9点爆勝、4連勝で首位2・5差

 「ヤクルト1-9阪神」(6日、神宮球場)

 Gの背中がはっきりと見えてきた。阪神は佐藤輝明内野手(25)の左越え12号満塁弾を含む5打点の活躍などでヤクルトに大勝。今季4度目の4連勝で、首位・巨人とのゲーム差を2・5に縮めた。シーズン最終盤を迎えて、投打の歯車がかみ合ってきた岡田虎。逆転アレンパへ、このまま一気に突き進む。

 逆方向に伸びた打球が黄色く染まった左翼席に飛び込むと、神宮の虎党はお祭り騒ぎとなった。六回、佐藤輝が4連勝を決定づける12号グランドスラムを放って、ベンチ前でカモメポーズ。1試合5打点でプロ通算301打点となり、球団史上最速の通算300打点到達。「僕だけじゃ無理なので、しっかりランナーに出てもらってる人のおかげです」と栄光の足跡を振り返った。

 4点リードの六回だ。2死満塁で外角高めの直球に、バットを合わせるようなスイング。「みんながつないでくれたチャンスだったので、いいバッティングができてよかったです」。高々と舞い上がった打球は大歓声に導かれるように左翼スタンドに着弾。プロ4本目にして、ビジターでは初の満塁アーチとなった。

 5日の中日戦(甲子園)では満塁機に放った好感触の打球が、浜風に押し戻されて右犠飛に。試合後には悔しさをあらわにしたが、“幻の満塁弾”を1日で現実に変えた。

 五回には4連打の一翼を担った。無死二塁で代わったばかりの2番手・原との対戦。3ボールからの4球目をはじき返した打球は、投手の足元を抜けて中前へ。「打っていい場面だったので、しっかり狙い絞っていきました」と5点目をもたらした。

 課題の守備でもファインプレーを連発した。三回、ビーズリーに直撃して三塁側に転がった打球を、ランニングスローでアウトに。五回2死二塁ではファウルゾーンに飛んだ当たりを、フェンスに張り付くようにして好捕。目の前の虎党から絶賛の拍手を浴びた。

 グラウンドで戦い終えた後、欠かせないのがバスタイム。「長風呂してリラックスする瞬間が好きですね。何も考えずにボーッとしてたら、30分くらいたってる。ガンガン系の音楽を聴くときもありますし」。暑さのあまりシャワーで済ましがちになる時季でも、「長くは入らないようにしますけど、シャワーだけということはないですね」と調整を加えて入浴。心身をリフレッシュして夏場を乗り越えた。

 猛虎打線爆発で首位・巨人とのゲーム差を2・5に縮めた。「いい状態だと思うので、また明日も頑張ります」。昨年9、10月は打率・356、9本塁打、29打点。今年の9月初弾はド派手に飾った。秋へと移り変わる季節、背番号8の存在感が一段と大きくなる。

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