「ヤクルト０－６阪神」（７日、神宮球場）

　初回以降は得点が動かなかったスコアボードに、一振りで２点を刻んで勝利を決定づけた。阪神・大山が九回にダメ押しの１４号２ラン。この日３安打目で追加点を呼び込み「手応えはアレですけど、結果なんで。最終的に勝ったことが一番」と５連勝への献身を誇った。

　九回２死一塁で田口の初球、外寄りのシュートを捉えた。打球は右翼方向へ伸びて、ポール際に着弾。静まり返るヤクルトファンと対照的に、左翼スタンドは沸き上がった。ゆっくりダイヤモンドを一周すると、歓喜の笑みを浮かべながらホームベースを踏んだ。

　初回から４番の仕事を果たした。森下の先制打に続き、１死二塁での打席。「いい形で先制した後でしたが、いつもと同じく『次の１点』という気持ちで打席に入りました」。チェンジアップをはじき返すと、打球は高橋の足元を抜ける適時打となり「しっかりランナーをかえすことができてよかったです」と胸を張った。

　七回２死一塁でも右前打を放ったが、得点にはつながらなかった。一発を含む猛打賞３打点にも「初回に４点取って、その後、中盤に点数取れるチャンスもあったので、そこはひとつ反省はあります」と浮かれないのが大山らしさ。「あとは勝つしかないんで、頑張ります」。虎党から「ナイスホームラン！！ありがとう」という賛辞を浴びながら勝者の帰路を進んで、奇跡への決意を固めた。