阪神・坂本 瞬時の判断につながる「気づき」8・24敗戦後…テレビに映し出された空のペットボトル拾う姿

 阪神・坂本
 ベンチ内のペットボトルを片付ける坂本=8月24日、マツダ(写真提供:サンテレビ)
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 8月24日の広島戦(マツダ)の敗戦後、サンテレビのカメラが三塁ベンチを映した。そこにはナインを最後まで見送り、一人残って空のペットボトルを拾う阪神・坂本誠志郎捕手の姿があった。「そんなところ映さなくていいのに…」。後日、恥ずかしそうに笑ったが、SNSでも注目を浴びた一幕だった。

 翌朝になれば清掃員がきれいにしてくれているだろう。ただ、前提として「自分のゴミを(自分でゴミ箱に)捨てるのは当たり前のこと」と言い、その上で「プロ野球選手だからゴミを拾わないというのも嫌だから」。試合の勝った、負けたは関係ない。広い視野で投手陣を引っ張る女房役からしてみれば、自然とも言える行動だった。

 普段は若手が残って集めるケースが多い。その日は前川がベンチ入りメンバーから外れたこともあり、率先して行った。「別に若手がやらないといけないってわけでもないしね。自分のものを捨てれば、やらなくて済むわけだし」。翌日の試合後は井上が担当していたが、坂本と同じように「自分のものは自分で捨てないと」と前提を話しながらもチームのゴミを集めていた。

 坂本にとって、この「気づき」は特別なことではない。甲子園の選手通路でぶら下がり取材をしていると、足を止めてしゃがみ込んだ。地面に落ちていた米粒ほどのゴミを拾って、自分の後ろポケットへ入れる。私は全く気づかず、もらおうとしたが断られた。

 「そういうのが見えないと、野球のプレーも見えないからね」

 野球はイニング、点差、カウントによって状況が変わり、特に捕手は瞬時の判断が求められる。及川が今季初先発した5月24日の巨人戦で左手中指にマメができた時も、真っ先に気づいたのは坂本だった。「正直、気づかれなかったら、無理して投げようと思ってたんです。でも、坂本さんにはバレますよね。そういうの見逃さない人ですから」。左腕が後日、明かしていた。

 当たり前のことを当たり前にやる-。これは野球にも、普段の生活にも通ずる。「まねしろとは思わないけどね」。坂本はそう言って笑ったが、小さな積み重ねが大事なワンプレーにつながっていく。野球に熱中する少年少女にも知ってほしい。

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