阪神・近本2安打2打点 DeNA・東との“月間MVP対決”制した「少しでも楽な展開に」

 「阪神7-2DeNA」(10日、甲子園球場)

 スタンドの熱気は徐々に高まっていった。勢いに乗せるために打つしかない。白木の相棒を握り締めながら、集中力を研ぎ澄ませた阪神・近本光司外野手。こん身の一打が、好投手の東をマウンドから降ろした。

 1点リードの六回。無死満塁の好機で打席を迎えた。「つないで作ってくれたチャンスでしたし、投手陣が粘り強く投げてくれていたので、少しでも楽な展開にという気持ちでした」と、1ボールからの2球目、左腕が投じたスライダーに反応。コンパクトなスイングではじき返された打球は一、二塁間を破る適時打となった。

 勝負強さを発揮し、奪った4得点目。これで昨年8月から続けていた東のクオリティースタート(6回以上自責3以下)を32試合で止めた。なおも無死満塁となり、左腕は降板。その後も1点を加点し、勝機を一気に高めた。

 目の前の好機は逃さない。七回には2死一、三塁で打席へ。左腕・坂本の直球をはじき返し、右前適時打とした。一般的に不利とされる左対左を苦にせず、今季対左は打率・394。「右も左も(関係なく)打つことだけを気にしています」と右左で過剰意識せず、打席に立っている。

 ここまでリーグトップとなる145安打を放つ切り込み隊長。投打がかみ合い、7連戦の初戦を制した。「チームにとってはどの試合も大事な戦い」と近本。勝利をつかむために快音を響かせ続けるだけだ。

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