【谷佳知氏の眼】阪神・森下 後半戦に入って打ち出しが柔らかくなった 流れを変える、打線のスイッチを入れる試合が増えている
「阪神3-4DeNA」(11日、甲子園球場)
阪神が接戦を落として連勝を逃し、4位・DeNAに2ゲーム差に迫られた。広島に逆転勝ちした首位・巨人とは3・5ゲーム差に開いた。2点を追う六回、森下が3試合連発の15号ソロを放つと、1死一、三塁からは坂本がセーフティースクイズを決めて同点に。だが、3-3の八回にゲラが桑原に勝ち越しソロを被弾した。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏は森下について「打ち出しが柔らかくなった。流れを変える試合が増えている」と評価した。
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森下は後半戦に入って打ち出しが柔らかくなり、バットが内側からしっかりと出て、体が開かずにボールをたたけるようになった。それを象徴するような六回の本塁打だった。
高めに浮いてきたスライダーを「待っていました」という感じで完璧にはじき返した。ああいうボールは体が早く開いてしまってファウルになるケースが多いが、今の森下は体が開かないから打球が切れずに、真っすぐに飛んでいく。
春先は構えたところからバットを引いてトップをつくるまで、ずっと力が入りっぱなしの状態でスイングが硬い印象があったが、今は一度いい具合に力が抜けてからトップの位置がつくれている。そこからバットをしっかりと体の内側から出して、インパクトの瞬間に最大の力をこめるスイングができている。
森下の一打が流れを変える、打線のスイッチを入れるような試合がここにきて増えている。少々安打が出なくても力むことなく、このままの状態で残り14試合に臨めれば、結果はおのずと付いてくるだろう。