阪神・秋山 今季限りで現役引退 タテジマ一筋15年 2桁勝利3度も右膝回復せず「結果の世界なんで」

 阪神は13日、秋山拓巳投手(33)が今季限りで現役を引退することを発表した。先発で3度の2桁勝利など通算49勝を挙げた右腕は、18年に手術を受けた右膝の痛みに苦しみ、近年は思うような投球ができずに今季は1軍登板がなかった。近日中に引退会見が行われる予定。愛媛・西条高から09年度ドラフト4位で入団し、タテジマ一筋15年でプロ野球生活に幕を下ろす。

 決断した右腕はすっきりした表情だった。秋山はいつも通りの口調で、現役引退を決めた理由を明かした。

 「開幕前から今年ダメだったらっていう気持ちでやっていたんで。膝の状態も良くなりそうにないのが一番ですかね」

 山あり谷ありのプロ野球人生だった。高卒1年目の10年に4勝を挙げて華々しいデビューを飾ったが、11~16年の6年間は2勝にとどまった。

 それでも抜群の制球力と、キレのある直球を武器に17年は自己最多の12勝。チームの2位に貢献した。18年5月8日・巨人戦(東京ド)は左翼席へ本塁打を放って完封。高校時代に“伊予のゴジラ”と称された力強い打撃でも注目を集めた。

 しかし、18年に右膝の手術を受けた後は痛みとの戦いが待っていた。「術後から1回もスッキリすることなく」。20年に11勝、21年も10勝を挙げたが、22年から成績が下降。チームが日本一に輝いた昨季は2試合の登板に終わり、今季は1軍に昇格できなかった。

 この日は鳴尾浜での2軍練習に参加。あいさつでは「結果の世界なんで、頑張って上でやらないとこうやって野球ができなくなるよっていう話をさせてもらいました」とメッセージを送った。

 今後はシーズン終了までプレーし、2軍で2回1/3に迫った通算1000投球回達成を目指す。「ちょっとわがまま言って、そこをクリアさせてくださいっていうことで、2回ぐらいもらいました」。残された登板で周囲への感謝も伝える。

 ◆秋山 拓巳(あきやま・たくみ)1991年4月26日生まれ、33歳。香川県出身。188センチ、101キロ。右投げ左打ち。投手。西条高から2009年度ドラフト4位で阪神入団。高卒1年の10年8月21日・巨人戦(東京ドーム)でプロ初登板初先発。ルーキーイヤーはプロ初完封を記録するなど4勝をマーク。高校時代には「伊予ゴジラ」と呼ばれ、プロ初本塁打を17年8月18日・中日戦で記録。18年オフに右膝手術。20年から2シーズン連続2桁勝利を挙げた。

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