阪神・秋山「もう限界かな」15年分の涙 引退会見「諦めずにやってこられたのは誇り」「最後に優勝旅行に連れて行って」

 涙を浮かべながら会見する秋山(撮影・北村雅宏)
 記念写真に納まる(左から)原口、秋山、梅野、高橋
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 阪神の秋山拓巳投手(33)が15日、兵庫県西宮市内のホテルで引退会見に臨んだ。会見冒頭のあいさつから涙を流し、支えてくれた人への感謝の思いを口にした。優勝争いをする仲間に夢を託し、自身も2軍で通算1000投球回を目指す。引退試合は24日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)。30日のDeNA戦(甲子園)ではファイナルピッチセレモニーに登場し、15年間袖を通したタテジマに別れを告げる。

 15年分の思いが込み上げてくる。決断のあいさつで声は震え、目から涙がこぼれた。「私、秋山拓巳は、阪神タイガース一筋15年、阪神タイガースで現役を引退することを決断しました」。涙腺が決壊し、何度もハンカチで目を拭う。涙、涙の引退会見だった。

 決して順風満帆のプロ野球人生ではなかった。高卒1年目の2010年には、4勝を挙げて華々しいデビューを飾ったが、11~16年の6年間でわずか2勝。それでも「腐らずにやってきた」と17年には自己最多の12勝を挙げた。

 しかし、その後は右膝の痛みに苦しんだ。18年に手術。それでもトレーニングを積み重ねて20、21年と2桁勝利をマークした。ただ、近年は思ったようなパフォーマンスが残せず長い2軍暮らし。「なかなか状態が上がらなかった。これまで何度もはい上がってきたけれど、もう限界かなと思った」と現役から退くことを決断した。

 会見を終えると、同期入団で同学年の原口、バッテリーを組んできた梅野、後輩の高橋がサプライズで登場。「お疲れさま」と花束を手渡され、再び涙があふれた。

 夢の続きは仲間に託す。昨季、チームは18年ぶりのリーグ優勝を飾ってハワイへ優勝旅行に行ったが、貢献できなかった右腕は参加しなかった。「今年はここから、ぜひ逆転優勝をしてもらって。最後に甘えて、優勝旅行に連れて行ってもらえたら」と連覇を願った。

 「楽しい思いも、つらい思いもあった。でも、一度も野球が嫌にならなかった。諦めずにやってこられたのは誇りです」と胸を張った。ファームでは残り2試合に登板する予定で、あと2回1/3まで迫っている通算1000回投球を目指す。最後の最後まで全力で腕を振り、目の前の打者に挑んでいく。

 ◆秋山 拓巳(あきやま・たくみ)1991年4月26日生まれ、33歳。香川県出身。188センチ、101キロ。右投げ左打ち。投手。西条高から2009年度ドラフト4位で阪神入団。高卒1年目の10年8月21日・巨人戦(東京ドーム)でプロ初登板初先発。ルーキーイヤーはプロ初完封を記録するなど4勝をマーク。高校時代には「伊予ゴジラ」と呼ばれ、プロ初本塁打を17年8月18日・中日戦で記録。18年オフに右膝手術。20年から2シーズン連続2桁勝利を挙げた。

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