阪神・前川 V撃&神キャッチ 岡田監督大絶賛「今日は前川のゲーム」4連勝で今季最多貯金11

 1回、フェンスに激突しながら増田の打球を好捕する前川(撮影・北村雅宏)
 6回、先制犠飛を放つ前川
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 「阪神3-0ヤクルト」(16日、甲子園球場)

 大竹を救い、チームも救った。阪神・前川右京外野手(21)が初回2死満塁のピンチで、左翼後方に飛んだ打球をフェンスに激突しながらも好捕。抜ければ3失点必至の場面で神キャッチを見せると、六回無死満塁の先制機で決勝の中犠飛。チームは4連勝で貯金は今季最多の「11」。巨人とは2差。残り10試合、懸命のラストスパートで必ず抜き去る。

 虎党のため息を歓喜の声に変えた。前川が初回2死満塁の守備で左翼フェンスにぶつかりながらも好捕するビッグプレー。「右京!右京!」の大合唱を浴び、ナインが待つ一塁ベンチへゆっくりと帰った。「とにかく最短で追おうと思って、捕れたんで良かったです」。先発の大竹を救い、チームを勝利に導くワンプレーだった。

 立ち上がりの大ピンチ。増田の飛球は浜風に乗って、左翼ポール方向へ伸びていった。フェンスが視界に入り、距離感もつかみにくい場面。「ギリギリ捕れるかなと思った。満塁やったんで、いかないといけないと思っていきました」。右手を伸ばして、フェンスに激突。帽子が脱げるほどの衝撃でも、白球は落とさなかった。

 岡田監督も「ほんと前川のプレーがなかったらと思ったら、大きいですね」と大絶賛。もし捕球できていなければ3点を先制され、展開はガラリと変わっていた。キャンプから筒井外野守備走塁コーチと守備練習に時間を割いてきたが、確実に成長を遂げている。師匠の同コーチも「素晴らしい。めちゃめちゃ良かった」とうれしそうに褒めた。

 今季は守備への意識を高く持つようになった。「ベンチで壮さん(筒井コーチ)も近くにいる。こういう打者にはこういう指示を出すんやとか。ベンチにいても、勉強になります」。この日も風の強さやフェンスまでの距離など、当たり前の確認を怠らず。試合に出るために、苦手の克服に精進していた。

 両軍無得点の六回無死満塁では田口から先制の中犠飛。「ヒットを打たないといけない」と悔しがったが、2試合連続の決勝点になった。「今日は初回から前川のゲームかなと思ってたんで、何とかしてくれると思ってましたけどね」と指揮官。好守に堅実な打撃と右京デーとなった。

 チームは4連勝で今季最多の貯金11。勝負の7連戦をリーグトップの5勝1敗(雨天中止1試合)で乗り切った。首位の巨人が勝って、ゲーム差は縮まらなかったが、2ゲーム差で追いかける。甲子園37勝は昨季を超えて08年以来の勝ち星数。「まだみんな優勝を諦めてないので、全員で一戦一戦、勝ちにいきたいなと思います」。残り10試合。21歳とは思えない貫禄たっぷりに逆転優勝を宣言した。

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