阪神・森下 追撃タイムリー&先制Vホーム 10戦ぶり無安打前夜から即修正マルチ “三刀流”バット奏功

 「阪神3-0ヤクルト」(16日、甲子園球場)

 ここぞで発揮する阪神3番打者の勝負強さに虎党は心底ほれ込んでいる。森下翔太外野手が七回に勝機を高める追撃タイムリー。貴重な追加点となった70打点目で、スタンドを大いに沸かせ「追加点が大事な場面でしっかり打てたので良かったです」と胸を張った。

 打順の巡りが良かった七回だ。1死二塁の好機。ゾーンに来た初球147キロシュートは見送ったが、続く129キロスライダーに反応。ピッチャー返しとなった打球は、瞬く間に中前へと抜けていった。スローボールも織り込み済みだったといい「センターに打てて良かったです」としたり顔。3点目をスコアボードに光らせた。

 両チーム無得点の六回には、先頭で責務を全う。先発・小川の足元を抜ける中前打を放って、先制劇の呼び水となった。10試合ぶりのノーヒットに終わった前日から一転のマルチ安打。「今日の試合を通して1、2打席目と、3、4打席目で構え方を変えたり、少しの差ですが工夫したり。こういう修正ができれば、小さい波でずっといける」。9月は50打数18安打で月間打率・360という好調ぶりの裏側を打ち明けた。

 今季は“三刀流”のバットで戦い続ける。黒、黄色、オレンジ…厚みの違う3色のグリップテープ。打席によって「自分にしか分からない感覚」で使い分ける。この試合も1打席目に最も厚い黒で凡退すると、少しだけ薄い黄色に持ち替えてから2度の快音を奏でた。

 甲子園を舞台にした勝負の7連戦を、5勝1敗(雨天中止1試合)で終えた。「あとは気持ちで何とか乗り切るだけだと思うので頑張ります。体がきつくなっても、100%のパフォーマンスが出せるような準備を毎日やるだけ」。熾烈(しれつ)を極めるV争い。残り10試合、強い心を推進力に歓喜のゴールを目指す。

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