「阪神３－０ヤクルト」（１６日、甲子園球場）

　勝利だけを目指し、懸命に腕を振った。来日初の３連投となった阪神のハビー・ゲラ投手が、１回無安打無失点と完璧な内容で守護神・岩崎へとバトンをつないだ。

　「サンレントウ。人生初だったんですが、成し遂げられたことがうれしい。一つの自信になりましたし、何よりも勝てたことがうれしい」。お立ち台では日々上達している日本語を交えながら、誇らしげに胸を張った。

　今季５３試合目の登板は３点リードの八回に巡ってきた。先頭の村上をフルカウントから中飛に打ち取ると、オスナを一飛、代打・宮本を遊ゴロに仕留める危なげない投球でマウンドを降りた。

　雨天中止を挟んだ甲子園６試合で４試合に登板。１１日・ＤｅＮＡ戦は決勝被弾で敗戦投手となったが、１４日・広島戦で来日初勝利を手にし、１５日・広島戦では九回２死満塁のピンチを招きながらも渾身（こんしん）の直球でセーブを挙げた。

　濃密な１週間を終え、「明日ゆっくり休める」と肩の荷を下ろした。日本語で「ゴセイエン、アリガトウゴザイマシタ。スバラシイ」と締めくくり、本拠地の虎党を沸かせた。日本で送る初めてのシーズン。残り１０試合も最後まで自身の役割を全うし続ける。