阪神・森下 打点王のタイトル「全く気にしない」 トップG岡本と3差70打点もアレンパ最優先

 阪神の森下翔太外野手(24)が17日、打点王のタイトルについて「全く気にしない」と語った。リーグトップの巨人・岡本和真内野手(28)にわずか3差だが「チームありきの打点」と勝利を最優先する考えを示した。18日・中日戦(バンテリン)でもチーム一丸となって難敵・高橋宏斗投手(22)を打ち崩す。

 自身初のタイトルを視界に捉えても、若虎が己を見失うことはない。

 「いや、全く気にしない。自分はホームランを打てるバッターじゃないので。チームありきの打点だと思う。自分でバンバン稼ぐようなバッターではないので、やっぱりチカさん(近本)とか拓夢さん(中野)が(塁に)出て、自分がかえすという役割なので」

 2年目の今季、119試合で積み上げた打点は70に達した。リーグトップの岡本和にわずか3差と打点王は十分に射程圏内。だが、欲をかくことなく、あくまでも自身の役割に徹し、チームの勝利を最優先する考えを改めて強調した。

 夏場は初回に近本、中野が出塁し、森下の適時打で先制する“勝利の方程式”が何度も繰り返された。「第1打席で自分がヒットを打てれば、ツーアウトからでも得点になるケースも増える。ランナーが出た場合はタイムリーになるケースも増える。どっちにしても第1打席はすごく意識的に入りたい」。先手必勝の重要性を理解しながら、初回から集中力を研ぎ澄ませて打席に向かう。

 残り10試合で首位・巨人を2差で追走する。「もう勝つしかない」という戦いの日々。18日の中日戦はリーグトップの防御率1・14を誇る高橋宏と対峙(たいじ)する。「いいピッチャー」という短い言葉に攻略の難しさが凝縮されていた。

 3日の前回対戦で無安打に封じられるなど、今季の対戦成績は8打数2安打、打率・250にとどまっている。さらに敵地バンテリンドームは29打数2安打、打率・069の鬼門となっている。

 ただ、佳境を迎えた今、負の数字を気にするそぶりもない。9月は月間打率・360、4試合連続本塁打も飛び出した。「一つのチャンスを無駄にしないというところは、もっとより高めていきたい」。土壇場でこそ増していく無類の勝負強さを、そのまま右腕にぶつける。

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