阪神・前川 3戦連続V打!「積極的に打っていこうと」難敵高橋宏撃ち チーム5連勝、巨人M9点灯も1・5差追走
「中日3-8阪神」(18日、バンテリンドーム)
若武者の勢いが止まらない。阪神・前川右京外野手(21)が二回1死二塁から中前へ先制適時打を放った。防御率リーグ1位の中日・高橋宏から価値ある一打。これが3試合連続の決勝打となり、勝負強さを発揮した。チームは5連勝で貯金12。首位・巨人に優勝マジック9が初点灯したものの、1・5ゲーム差まで接近した。
もう快進撃は止まらない。前川が3試合連続の決勝打。今季最後のバンテリンで名古屋の虎党を喜ばせた。「いい投手だったので、積極的に打っていこうと思って。点が入ったので良かったです」。こんなにも頼もしい21歳はいない。
両軍無得点の二回1死二塁。初めての得点圏の好機だった。相手はリーグトップの防御率を誇る、好投手の高橋宏。「マジでいいピッチャー」と前日に形容したように、そうチャンスが多くないことはわかっていた。
「いつも通り、速い真っすぐとフォークが良かったです」。2球目の直球はファウルにしたが、153キロ直球を軽打。鋭い当たりは二遊間を抜けて、佐藤輝を本塁にかえした。二塁上ではお決まりのカモメポーズ。貴重な先制点を挙げた。
15日のヤクルト戦(甲子園)では聖地初アーチとなる勝ち越しの決勝ソロ。16日の同戦では初回の好守に先制の犠飛でヒーローになった。岡田監督が「前川のゲーム」と大絶賛するほど。そして3試合連続の決勝打。勝負の最終盤で“右京ウイーク”に突入している。
9月上旬には安打が止まることもあったが、ここでギアチェンジ。今年の目標は「1軍で完走すること」だったが、あと9試合まで来た。シーズンを戦い抜くため、今季はより体と向き合うようになった。体重も89キロからスタートし、87~88キロを維持。「体について考える時間は増えた」。食事に加えて、多くの成分が入った粉末を水に溶かし、飲むことも欠かさない。
疲れは当然ある。少しでもためないようにと、本拠地の甲子園では練習後に仮眠。イスに座りながら、アイマスクを着けて体も心も落ち着かせている。「疲れてるんで、寝ることで仕切り直しですね」。昨季は1軍でフル稼働する大変さを知った。今年は悔しさをバネにして、最後の力を振り絞っている。
チームは今季4度目の5連勝で今季最多の貯金12。首位の巨人が引き分けてマジック9が点灯したが、1・5ゲーム差に縮めた。試合後には名古屋のファンへ、感謝のあいさつ。割れんばかりの拍手と「頑張れ、頑張れタイガース」の声援に背中を押された。「あと9試合なので、ちゃんと結果を残せるように頑張ります」。逆転優勝へ、ラストスパートをかける。