阪神・近本「光栄」 長嶋茂雄に並んだ!入団6年目まで歴代最多926安打 巨人と痛恨3差「勝たないといけない」

 4回、適時二塁打を放つ近本(撮影・田中太一)
 長嶋茂雄
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 「DeNA9-6阪神」(20日、横浜スタジアム)

 阪神はDeNAに痛恨の1敗を喫した。首位・巨人とのゲーム差が3に広がる敗戦にあって、意地を見せた一人が近本光司外野手(29)だ。四回2死一、三塁で放った追撃の左翼線適時二塁打が、長嶋茂雄(巨人)に並び史上トップタイとなる、プロ入りから6年目での通算926安打目となった。残りは8試合。悲願の“アレンパ”へ、諦めることなく戦うだけだ。

 積み上げた勲章も、あくまで勝利を目指す中での通過点でしかない。近本がプロ入り6年目までの通算安打を926本とし、歴代1位の長嶋茂雄(巨人)と並んだ。球史に残る偉大な数字も、敗戦の悔しさが胸の内を支配し、笑顔はなかった。

 「こういう記録に挑めるというのは光栄なことだと思いますし。自分も素直にうれしい」

 逆転優勝に向けて負けられない一戦。序盤に背負った重いビハインドをチーム一丸となり、食らいつく。その中で近本も勝負強さを発揮するメモリアル打で応戦した。

 5点を追う四回だ。打線がつながり、3点を返してなおも2死一、三塁の好機で打席が巡ってきた。「しっかり後ろにつなぐということを意識して」と、カウント1-1から坂本が投じた3球目、真ん中付近に甘く入ってきた直球に反応。打球を左翼線に運ぶ適時二塁打とし、1点差に詰め寄った。

 結果を残さないと生き残れないプロ野球の世界。1年目から試行錯誤し、必死に取り組んで6年目まできた。不動の存在として求められているのは、調子の波を少なくすること。シーズン中に個人成績は全く目にすることがないが必ず「毎日確認している」という数字がある。コンディションのバロメーターとしている睡眠時の心拍数だ。

 「朝起きた時にどのくらいなのか確認をして。自分の中でしんどいという基準があるので。疲れてきているのか、睡眠の質が落ちてきているのか、食事の仕方がどうとかっていうのを意識しながら気をつけている」

 自らの状態を確かめるために見つけた方法。継続して測定することで状態の変化にも気づくことができ、対策もできているという。「イメージしていること以外のことが起こると副交感神経が優位になるんで、ある程度決まったことをするという感じです」と、睡眠前はほとんど同じ行動をし、日々のコンディションを整えている。

 乱打戦に敗れ、チームの連勝は5でストップ。首位・巨人とのゲーム差は3に広がる厳しい敗戦となった。「どの試合でも勝たないといけないので。明日も頑張ります」と近本。残り8試合。チームが目指しているのは球団史上初の連覇だ。切り込み隊長が先頭の立ち、歓喜への道を切り開く。

 ◆自力V復活は最短25日に 阪神の自力優勝の可能性復活は最短25日に。阪神が21日・DeNA戦から23日・巨人戦まで3戦全勝。かつ巨人が21日・広島戦から25日・DeNA戦まで4戦全敗だと、阪神が首位に立ち、巨人のVマジックを消滅させられる。一方で巨人の最短Vは23日の阪神戦(甲子園)。最悪の場合、阪神は聖地で宿敵に胴上げを許す屈辱となってしまう。条件は21日から巨人が3連勝、阪神が3連敗でDeNAが22日からのヤクルト2連戦で1敗。なお、昨季の阪神優勝は9月14日、甲子園での巨人戦だった。

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