「阪神１－０巨人」（２２日、甲子園球場）

　一つの隙が流れを変えることは十分承知している。広い視野でピンチを防いだ。試合の主導権を左右する分岐点。阪神・木浪聖也内野手の好守がチームを救った。

　「向こうに流れがいかなかったのは、すごくよかった」

　初回無死二塁からの守備だった。２番・浅野がバントした打球は投手前に転がると、才木はすぐさま処理して三塁・佐藤輝へ送球。二走・丸を挟むと、遊撃・木浪に転送してタッチアウトにした。挟殺プレーの間に打者走者の浅野は二塁を狙ったが、木浪がすぐさま反転して二塁ベースカバーに入っていた中野に送球。息の合った連係プレーでタッチアウトにした。

　走者を残していれば、得点圏で吉川、岡本和の主軸につながっていただけに価値ある併殺プレー。藤本内野守備走塁コーチは「テル（佐藤輝）がボールを持って追いかけるスピードもよかったから、木浪もうまく詰めてタッチにいけた。声かけがあったから中野も（二塁の）カバーへいけた思うし、最高のプレーだった」とたたえた。

　守備だけでなく、打撃でも好投手・菅野打ちで存在感を発揮した。三回には１死から先制点につながる中前打を放ち、五回にも右前打でチャンスメーク。一丸となって１点を守り抜き、つかんだ勝利だ。「あしたがすごい大事。全員で勝ちをもぎ取りたい」と木浪。この勢いに乗り、一戦必勝で戦う。