【中田良弘氏の眼】阪神・才木 菅野の気持ちの入った姿が力を引き出した 大きかった初回無死二塁からの併殺

 「阪神1-0巨人」(22日、甲子園球場)

 阪神が三回に中野の右前適時打で挙げた1点を守り切って天王山初戦を制し、首位・巨人に1ゲーム差に迫った。才木は再三のピンチで粘り強く投げ抜き、7回無失点で自己最多の13勝目。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「菅野の姿が才木の力を引き出した」と指摘した。

  ◇  ◇

 本当に、価値のある勝利となった。先発した才木は、フォークの落ちがあまり良くなかった分、フライアウトが多くちょっと「怖いな」という感じで見ていたが、ここぞでインコースにストレートを集めて力で抑えることができた。

 それだけ、梅野の目には力があるように見えていたんだろうし、そこへ投げ切れたことはさすがと言える。

 試合前の段階で、阪神は2連勝が必須。巨人は1勝1敗なら何とかOKという状況。阪神に、より大きなプレッシャーがかかる試合で、球場の雰囲気からもそれは感じ取れた。

 そこで才木が菅野に投げ勝ったことは評価に値する。一つは、菅野の素晴らしい、気持ちの入った投球がある。つまり、お互いが刺激し合ってより力が出る試合になったように見えた。

 もう一つは、再三のピンチを切り抜けた中でも初回無死二塁から浅野のバントを結果的に併殺とできたことが大きい。菅野相手で、どうしても先制されたくないところを切り抜けられた。

 この勝利を生かすためにも、とにもかくにも23日だ。ここを必勝しかない。

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