秋山が引退セレモニーで涙のスピーチ 20秒間絶句 両親、愛妻、ナインへ感謝の思い「これからは一ファンとして皆さんを全力で応援したい」
「ウエスタン、阪神7-8ソフトバンク」(24日、鳴尾浜球場)
阪神の秋山拓巳投手の引退セレモニーが鳴尾浜球場で行われた。
セレモニーの冒頭では和田2軍監督から花束が贈られ、その後に両親からも贈られた。スピーチでは阪神球団やソフトバンクベンチに感謝を述べた後、「そして両親」と言ったところで20秒間絶句。涙があふれ「ここまで丈夫に育てていただき、十分に親孝行できたかわかりませんが、これからの人生、心配かけないように頑張っていきたいと思いますので、また温かく見守ってくれればと思います」と感謝の思いを伝えた。
引退試合では先発し、1回2安打2失点だった。2死三塁からリチャードに136キロの直球を豪快な2ランを浴びて苦笑い。登板後には岩貞から花束を渡され、涙を浮かべた。秋山らしく声を上げながらの力投。スタンドからは大きな拍手が送られていた。
1軍の投手陣も続々と鳴尾浜へ集結。岩崎や桐敷、石井ら中継ぎ陣に加えて、朝から甲子園で投手指名練習に参加していた村上と高橋、青柳も観戦に訪れた。同学年で同期入団の原口は先発出場。秋山の勇姿、そして引退セレモニーを多くの選手が見届けた。
スピーチ後はマウンド付近で仲間に胴上げされ、3度宙を舞った。
スピーチは以下の通り。
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まず始めに、このような場を設けていただき、阪神タイガース球団の皆さんにはとても感謝しております。ありがとうございました。また、試合後の貴重な時間に残っていただき、ソフトバンクホークスの皆様ありがとうございます。そして、両親。えぇ…(涙)。ここまで丈夫に育てていただき、十分に親孝行できたかどうかわかりませんが、これからの人生、心配かけないように頑張っていきたいと思いますので、また温かく見守ってほしいなと思っています。そして、妻へ。2軍生活が長くて、しんどい時間も多かったですが、いつも明るく、僕がしんどい時も明るく接してくれたおかげで最後まで頑張ることができたと思います。これからもいっぱい迷惑かけると思うけど、仲良くやっていこうね。ありがとう。
私、秋山拓巳は今年を持って阪神タイガース一筋15年でユニホームを脱ぐことを決めました。ここまで辛い思いというのがほとんどで、いい思い出っていうのは非常に少ないですが。本当に監督、コーチ、スタッフの皆さん、そして先輩の選手、後輩の選手に恵まれて、15年間本当に楽しく、一度も諦めることなく、楽しく現役生活を送ることができました。ただ一つ、やっぱり悔いが残ると言えば、この15年間いつも当たり前のようにやってきた野球というのが明日からなくなるってことと。やっぱりファーム生活が長かったので、後輩たちと一緒にいっぱい汗かいて、楽しく笑いながら、時にはファームで燻ってる選手たちを見て、自分自身の歯がゆい気持ちを持ちながら、時にはすごく厳しい言葉を後輩たちに投げかけていたと思いますが、それもやっぱりみんなに頑張ってほしいという気持ちで。みんな1軍で活躍してほしいという気持ちでいっぱいきつい…(涙)。いっぱいきつい言葉を投げかけてしまっていましたが、明日からは一緒に練習しながら、そういう言葉をかけられなくなるっていうのが本当にすごく寂しいなと感じています 僕自身、大した記録もなければ、成績も残していませんが、こだわり続けたピッチャーとして15年間、最後まで諦めずにここまで頑張ってこれたことはすごく誇りに思っています。ファームの選手には、僕のようなファームで頑張ってる選手ではダメなので。朝、伝えたように色んなことにトライして、やっぱりファームで頑張ってても仕方ないので、1軍でこういう優勝争いをしてる中で活躍してる姿を見せてほしいですし、僕自身これからは一ファンとして皆さんを全力で応援したいと思ってます。頑張ってください。
最後に15年間…(涙)。15年間、温かい声援をいただいた阪神タイガースファンの皆さんには本当に感謝してます。自分の力以上を出してくれる最高のファンの方たちでした。15年間ありがとうございました。