井川慶氏 ラスト鳴尾浜で終球式「若い頃よく投げた。懐かしさ感じた」 思い出は「ラジコンヘリ」
「ウエスタン、阪神6-14ソフトバンク」(25日、鳴尾浜球場)
阪神2軍は25日、鳴尾浜球場で最後のウエスタン公式戦を戦った。試合には敗れたものの、井上広大外野手(23)は、虎戦士ラストアーチとなる8号ソロを披露。残り5試合となった1軍の優勝争いへの弾みをつけた。最後は元阪神でデイリースポーツ評論家の井川慶氏(45)がファイナルピッチセレモニーに登場し、力強い投球を披露。鳴尾浜球場は30年の歴史に幕を閉じ、尼崎市内の新施設に移る。
観衆が見つめる前で最後の一球を投じた。鳴尾浜で最後となる公式戦後、井川氏がファイナルピッチセレモニーに登場。マウンドから西口副寮長が構えたミットに力強いボールを投げ込むと、スタンドを沸かせ、慣れ親しんだ地に別れを告げた。
「マウンドから見る景色っていうのはやっぱりいいなと。特に鳴尾浜はね。若い頃よく投げていたんで、懐かしさっていうのは感じました」
井川氏は水戸商から1997年度ドラフトで、2位で入団。03年のリーグ優勝後、年俸1億円を超えていた中でも「ほんとはいたかったんですけど、強制退寮っていうことで。残念ながら」と、6年でしぶしぶ寮生活を終えた。
鳴尾浜での思い出について問われると「ぱっと思い出すのは、ラジコンヘリをしてた時ですけど」と笑みを浮かべた。もちろん、鍛錬の日々も鮮明に覚えている。「古沢さん(当時2軍投手コーチ)のノックはすごい思い出深いっていうか。強烈な印象が残っています」と懐かしんだ。
この日は、解説者として試合を観戦。先発では同じ左腕の門別が登板。「いいピッチャー。球速はね、ちょっと後半落ちたので、そこをうまくカバーすればいいのかなって感じはします」と期待を寄せた。
また、1軍は逆転優勝を目指して残り5試合を戦う。「一戦必勝でやるしかないでしょうね。中継ぎ陣の桐敷くん、石井くんがフル稼働しているんで。そこが打たれたら厳しいと思うんで、そこだと思う」とブルペン陣を支え続ける左右の2人をキーマンとし、連覇を願った。
◆井川 慶(いがわ・けい)1979年7月13日生まれ、45歳。茨城県出身。現役時代は左投げ左打ちの投手。水戸商から97年度ドラフト2位で阪神入団。06年オフにポスティングシステムで米大リーグ・ヤンキース入団。12年にオリックスでNPB復帰。15年退団後、17年に独立リーグのBFL兵庫でプレーし同年オフ退団。NPBでは03年にMVP、ベストナイン、沢村賞など七冠。NPB通算219試合で93勝72敗1セーブ、防御率3・21。
◆阪神鳴尾浜球場 兵庫県西宮市にある阪神2軍の本拠地。選手寮、室内練習場が隣接しており、愛称は「タイガース・デン」。1994年10月に開場した。両翼96メートル、中堅120メートルで収容人員は500人。施設の老朽化に伴い、今季限りで閉鎖され、2軍本拠地は来年3月に同県尼崎市に開場する「ゼロカーボンベースボールパーク」に移転する。