鳴尾浜で若手ら成長見届けた西口元ブルペン捕手 記憶に残る選手は「井川、藤川、藤浪」現在は虎風荘副寮長

 捕手を務め、井川氏の元へ歩く西口副寮長(撮影・立川洋一郎)
 終球式を務めた井川慶氏(左)と西口副寮長(撮影・中田匡峻)
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 「ウエスタン、阪神6-14ソフトバンク」(25日、鳴尾浜球場)

 阪神2軍は25日、鳴尾浜球場で最後のウエスタン公式戦を戦った。試合には敗れたものの、井上広大外野手(23)は、虎戦士ラストアーチとなる8号ソロを披露。残り5試合となった1軍の優勝争いへの弾みをつけた。最後は元阪神でデイリースポーツ評論家の井川慶氏(45)がファイナルピッチセレモニーに登場し、力強い投球を披露。鳴尾浜球場は30年の歴史に幕を閉じ、尼崎市内の新施設に移る。

  ◇  ◇

 現在は虎風荘で選手を見守っている西口裕治副寮長(65)。1985年からブルペン捕手として、浜田球場時代から鳴尾浜球場に至るまで、何百人もの若手選手の球を受けるなど、今日に至るまで、寮生活も含めて選手の成長を見届けてきた。

 ブルペン捕手時代で1番記憶に残る選手は「井川、藤川、藤浪の3本柱ですね」と迷うことなく名前が出てきた。3人は高校からプロ入り。ブルペンで受ける球での違いは「手応え」だった。「やっぱりそれが体で感じるボールの力」と驚いたという。

 ファイナルピッチセレモニーでは、思い出深い井川氏の球をキャッチング。「一番懐かしい」と思い出しながらほほ笑んだ。1軍に上がり、ローテーション入りする間も見続けてきた。「2003年に優勝したのは彼が頑張ったのが一番ある」。ウエスタン公式戦最後となる鳴尾浜で最高の思い出を刻んだ。

 副寮長として携わった中、虎風荘での一番好きな場所は屋上。鳴尾浜球場全体を見渡す事ができる特等席だ。試合を見ることもあったと言い、車以外の騒音などがない静かな環境もお気に入りポイント。名残惜しさはあるものの「環境が変われば、みんなも変わらなあかん。古き良き時代っていうのは野球界じゃ無いからね」と新天地移転を“新たな風”として捉え、ファームでの記憶を語った。

 ◆西口 裕治(にしぐち・ゆうじ)1959年5月4日生まれ、65歳。奈良県出身。現役時代は右投げ右打ちの捕手。高田商から77年度ドラフト外で阪神入団。80年現役引退。1軍出場なし。引退後はブルペン捕手や副寮長を務めてチームを支えた。

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