阪神・岡田監督 九回の絶好機逸を悔やむ「ひっくり返しとかなあかん」悔し涙の村上慮る「そら悔しいよ。負けたんやから。引き分けでもええわけやから」
「広島3-2阪神」(27日、マツダスタジアム)
阪神は延長12回の死闘の末、痛恨のサヨナラ負けを喫した。6番手村上が末包に劇打を浴びた。ゲーム差が3に開いた首位巨人の優勝マジックはついに「1」となり、球団初の連覇は絶望的な状況となった。
試合後、岡田監督は「ひっくり返しとかなあかんわな。あのチャンスでな。(連続三振に)負ける時はそんなもんや」と、九回の無死一、三塁、1死満塁の好機をものにできなかったことを悔やんだ。村上については「そら抑えるために投げさせとる。最初の登板から村上はエラーにやられたな。ほんまにな。ああいうミスしたら負けるいうことや。エラーなかったら、3者凡退で終わっとるよ。エラーがみんな点に繋がるやろ。開幕の京セラからやんか。(村上の悔し涙は)そら悔しいよ。負けたんやから。引き分けでもええわけやから、そんなん」と、慮った。
阪神が逆転優勝のためには残り5試合を絶対に落とせない状況で、劣勢から意地を見せた。零封負けの23日・巨人戦(甲子園)以来、4日ぶりの試合。序盤から2点を追いかける展開で、膠着(こうちゃく)状態が続いたが終盤に追いついた。
2点を追う七回に佐藤輝の16号ソロ。カウント2-2から大瀬良のフォークを捉えて、右中間スタンドへ放り込んで、1点差へと詰め寄った。
八回には近本の左前打と中野の犠打で2死二塁。森下がハーンの154キロ直球を左前にはじき返して、二走・近本を同点のホームへかえした。
中10日で先発した“鯉キラー”の大竹は、七回途中2失点で勝ち負けはつかず。初回先頭の秋山に右前打を許すと、小園には右二塁打を浴びて2死二、三塁。いきなり迎えた踏ん張りどころで、坂倉には鋭く右前に運ばれて2点を失った。
二回以降は立ち直って粘投を続けたが、1点を返してもらった直後の七回に窮地に直面した。先頭・菊池の中前打から1死一、二塁のピンチを招いて交代。2番手の桐敷が、代打・磯村を見逃し三振、秋山を左飛に仕留めて追加点を与えず。流れを呼び込むと、八回は岩崎が三者凡退で抑えた。
九回に広島の守護神栗林から1死満塁の好機を作ったが、代打梅野、1番近本が連続三振で逸していた。
試合後、サヨナラ打浴びた村上は涙。帽子で顔を覆い、悔しさを噛み締めた。