阪神・佐藤輝 3戦ぶり16号&3安打「切り替えて、できることをやっていきたい」 岡田監督苦言に応えた状況に応じた打撃

 「広島3-2阪神」(27日、マツダスタジアム)

 試合後、阪神・佐藤輝明内野手は悔しさを押し殺し、言葉を紡いだ。今季8度目の猛打賞も、チームは痛恨のサヨナラ負け。「追加点が取れなかったのが残念です。勝てなかったので、それが一番じゃないですか」。淡々とした口調に主砲の自覚がにじんだ。

 重苦しいムードを一変させたのは2点を追う七回だ。先頭から大瀬良のフォークを振り抜くと、打球は右翼席へズドン。21日・DeNA戦(横浜)以来、3試合ぶりの16号ソロで打線の反発力に火を付けた。

 「何とかまずは1点を返したいと思っていたので打てて良かったです」

 意地の一発だ。大一番となった23日・巨人戦(甲子園)は、0-0の六回無死二塁から浅い中飛に倒れ、走者を進めることができなかった。結果的にこの凡退が響き、0-1で惜敗。「ここまできたら分かると思ったけどな。分からんかったなあ。あれで終わりよ」。岡田監督から苦言を呈され、求められたのは状況に応じた打撃。この夜は2点ビハインドから一振りで流れを引き戻した。

 負けが許されない中、佐藤輝の集中力は研ぎ澄まされていた。同点の九回は先頭で右前打。続く島田のバントを栗林が一塁へ悪送球する間に、すかさず三塁を陥れた。得点には結びつかなかったが、好走塁でチャンスを拡大。さらに延長十一回は6番手・島内から右前打。初回の四球を含めてこの夜は4出塁。試合展開や状況に応じて、役割を果たした。

 28日は午前中に東京へ移動してヤクルト戦だ。今季神宮では、打率・317、5本塁打、14打点。いずれもセ・リーグのビジター球場で最高の成績を残している。「しっかりもう一回気持ちを切り替えて、できることをやっていきたい」。巨人の優勝マジックは1。いよいよ崖っぷちに立たされた。それでも佐藤輝は必死に前を向く。最後まで声援をくれる虎党のためにも。神宮の空に大きなアーチを描き、虎の執念を体現する。

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